学校ビオトープと学校の庭……この違い分かりますか?松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

» 2009年07月14日 08時59分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

庭を構成する3つの区画

畑の区画

 学生が実際に農作業を行う畑、ハーブ畑、温室、農具小屋、コンポストがある。

車椅子や身体障害者も作業しやすいように作られた「高い畑」

ビオトープの区画

 池と小川、草原、砂地、低木の茂み、ハチの巣など、いろいろなタイプのビオトープがある。

ビオトープの池。子どもたちに最も人気のある場所

体験の区画

 素足で歩く小道、花壇、ハーブなどがあり、五感を使って自然を体験できる空間。

目をつむって素足で歩く歩道。砂利、砂、木のチップ、泥の感触を素足で楽しむ

 ここは教育大学の施設なので、普通の学校の庭とは内容と利用目的が違う。まず規模が大きく、設備が整い、管理状態が良好で、動植物が多様だ。ここで実習を受けた学生は将来小中学校の先生となり、それぞれの赴任先で学校の庭を管理したり新設することになる。

教育大学の学校の庭の役割

実習の庭

 学生が実習を通して、学校の庭の管理・運営方法を学ぶ。

モデル

 小中学校で学校の庭を作る際のモデルとなる。

教員研修

 一般の教員が、この庭へ来て短期の研修を受けることができる。

ビオトープに触れられる公園

 平日の日中はビオトープに親しめる公園として一般市民に開放されている。

 特に興味深いのは、ここが学生と子どもたちのコミュニケーション空間になっていること。庭の公開日など、学生は子どもを相手に学校の庭を使った環境教育について実地に学び、「環境学習に対する子どもたちの反応」も観察できる。

水棲動植物の観察

 また、この庭は市民にも開放され、平日9時から夕方6時まで中を散策することができる。街には花と芝生のきれいな公園が数多くあるが、小魚が住む池・昆虫のための花の草原などビオトープを含んだ公園はごく少数だ。規模は小さいが市民が多様な自然を学べる公園としても貴重である。

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