120秒が5秒になった――LEDがなし遂げた“ネイルの大発明”とは郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2009年07月23日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

速くて連写できない!

 cherryさん(の手)をモデルに、実際にL・E・D GEL Prestoを実演してくれたのは、商品開発部の川平有希子さん。爪のカタチを整えてからベースのクリアジェルを塗布。そしてLEDのボックスに手の先を入れる。LEDが光り出したので写真をパチリ。もう1枚! と思ったら、あらら、もう間に合わなかった。照射時間わずか5秒なので、連写モードじゃないと2枚目が撮れないくらい。


 川平さんはcherryさんの手に、塗っては入れ、塗っては入れとカラージェル工程を3〜4回続けたが、それぞれあっと言う間に終わった。


半分になる施術時間

 今回はテストなので指1本だが、左右の全指を同じ工程・同じ技術で施術するとどれだけ時間は変わるのか。ネイルラボ資料によると、UVライトを使う一般のジェルネイルだと照射時間30分で施術時間(塗る時間+乾かす時間)が31分50秒かかるのに対して、LED GEL Prestoは照射時間2分で施術時間15分50秒という(UVライトの場合、片手を照射しながら、もう片手に塗布することによって時間は短縮できる)。親指を除く指4本をまとめて照射するのが4回、親指単独で照射するのが4回、両手分で合計照射回数は16回。UVは×2分、LEDは×5秒(最後だけ20秒)なのでこの差が生まれるのだ。しかもこれは、単純にカラーリングだけした場合の施術時間。実際にはネイルアートを施すことがほとんどなので、その分さらに施術時間は延びることになる。

 「なるほど。固めるのに時間がかかるから、ネイル中に世間話をしたり、打ち明け話をしたりしておしゃべりに花が咲くのでしょうか。でもこれからは、そういう楽しみがなくなるかもしれませんね」とうがった意見を私が言うと、「施術が速ければ、終わった後でもおしゃべりの時間も取れるし、アートに凝る時間も長く取れるので、客単価もアップできますよ」と井田さん。「それに紫外線をたくさん浴びるのは肌にもよくないですし」。cherryさんも「UVだと『ちょっと熱いです』と言って手を引っ込めることもありますが、LEDはほのかに温かいくらい」とうなずく。UVライトそのものは熱くないのだが、ジェルが硬化するときに熱を発するからだ。

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