昨日とは反対に米国株安にも関わらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月06日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は軟調となりましたが、日本市場は前日の大幅下落で米国株安を織り込んでいものと見られは、大幅反発となりました。米国での主要な経済指標の発表を控えていることやまだ目先的な過熱感は強いのですが、外国人が買い越しとなったと伝えられたこともあり、終始買いが優勢となったものと思います。特に材料が出たわけでもないのですが、先物にも執拗な買いが見られ大幅高となりました。

 昨日は米国株が堅調であったにもかかわらず大幅下落となり、今日は米国株が一時大幅下落となったにもかかわらず大幅高となるなど、米国市場への連動が少なく、ちぐはぐな展開となっています。米国株安の理由は経済指標の悪化などわかり易いのですが日本市場の動きはどうも素直な動きにはなっていないようです。昨日も業績の回復が見られADR(米預託証券)が大幅上昇となっていたにも関わらずトヨタ(7203)が売られ、本日は減益ながらも予想を上回る決算となったことで、NTT(9432)はADRが上昇していたこともあって買われる、といった何とも一貫性のない、その日その日の需給に振らされている相場となっています。

 こうしたちぐはぐな動きとなるときは持高調整の売り買いのなかでの動きであることもあり、2005年の夏や2006年の6月、7月、そして2007年は8月にも大波乱となっています。今回は「総選挙」ということと「節目を抜けた」と言うことでは2005年の夏の相場が似ているといえば似ており、大相場も期待されます。ただ、昨日の特に理由のないなかで大幅下落、そして今日の特に理由のないなかでの大幅高となっており、目先的な需給に振り回されているようです。昨日、一昨日はまとまった持高調整と見られる売りも出たようですが、本日は出ていないものと思われ、そうした目先的な需給に振り回されそうです。

 堅調な相場となっても相変わらず目先筋が中心の市場であり、市場参加者の幅が広がらないことがちょっとした需給に大きく反応してしまう理由なのだと思います。ただ、目先的には昨日、今日の相場のように目先的な需給に振らされて右往左往することになるのでしょうが、大きな流れの中での変化ではないことに気が付いていれば指数も株価も右往左往するなかで落ち着いて対処できるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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