日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「立ち食いそば」といえば、忙しく働く人がちょっとの時間にさっとかき込めて、かつ財布に優しい「庶民の味方」というイメージがあるはずだ。
それを利用するのが、選挙運動中の政治家だ。普段はミシュランだなんだと高級店で会食をしているのに、この時期になると急にネットやSNSで「立ち食いそば」をすする写真などをアップする。今回の衆議院選挙でも、何人かの政治家が首都圏で展開する立ち食いそばチェーン「名代(なだい) 富士そば」(以下、富士そば)の名前を挙げて発信している。
「生配信前に富士そばで腹ごしらえ。安定の天玉そばでエネルギーチャージ完了」
「富士そばパワーで頑張ります!」
ただ、そんな「庶民の味方」というイメージもこれから大きく変わっていくかもしれない。報道によれば「進化系立ち食いそば」なる新しいムーブメントが起きているというのだ。
最近は、都心の一等地でスターバックスのすぐ隣に、おしゃれなカフェのような立ち食いそば店が新たにオープンするほか、「グリーンカレーつけそば」など、斬新なメニューを提供する店が増えているのだ。
「はいはい、どうせインバウンド対応でしょ」とシラける人も多いかもしれない。ご存じのない方もいらっしゃると思うが、実は今、世界的に「そば」の人気が急上昇している。
「世界が熱狂…日本のそば なぜ、知る人ぞ知る『浅草橋のそば店』に外国人?」(テレ朝NEWS 2025年12月20日)によれば、健康志向や、より日本っぽい食事を求める人々に大きな支持を集め、今やラーメンに次ぐ人気だという。そのため都心の立ち食いそばが外国人観光客で盛況なのはもちろん、東京では、そばの名産地として知られる調布市の「深大寺そば」や、老舗店なども外国人観光客が押しかけている。
つまり、「進化系立ち食いそば」が増えている現象は、東京、大阪などにおしゃれなラーメン店、寿司店、和牛専門の焼肉店などが続々と増えているのと同じで、過去最多となる4268万人の訪日外国人観光客と、彼らがもたらす9.5兆円という過去最大の観光消費が「追い風」になっているのだ。
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