富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実スピン経済の歩き方(2/6 ページ)

» 2026年02月04日 07時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

「立ち食いそば」は誰のものか

 ……という話を聞くだけで、ムカムカする人もいるかもしれない。先ほど述べたように「立ち食いそば」は庶民の味方であり、忙しくて小遣いの少ないサラリーマンのオアシスでもある。

 そこへ大きなスーツケースを引きずった外国人観光客が大勢で押しかけて、注文した品が来るたびにスマホで記念撮影をしたり、地図やガイドブックを広げて談笑する様子を見て、イラッとする人は多いはずだ。昼休みの時間が限られている人などは「時間に余裕があるのに、なんで昼休みにオフィス街のこんな店に来るんだよ」と腹を立ててしまう人もいるだろう。

富士そばのメニュー(出典:富士そば、以下同)

 サラリーマンや庶民が毎日のように利用する「立ち食いそば」ぐらいは「鎖国」、つまり外国人観光客は全面立ち入り禁止でもいいのではないか――。もっとも、今のご時世、「排外主義者」と叩かれてしまうので黙っているものの、心の奥底ではこのように感じている人も多いのではないか。

 そんな日本人の「静かな怒り」を象徴するような騒動が2025年末、先ほど登場した「富士そば」で起きている。都心のオフィス街にある店舗の入り口に「Notice」と書かれた掲示を出し、英語、中国語、韓国語で以下のようなメッセージを掲示したのだ。

「旅行者の方は、ランチタイムの来店をご遠慮ください。当店は、この近辺で働く人たち・学ぶ人たちを優先します」

 ちょっと前に注目を集めた「日本人ファースト」を、これ以上ないほど分かりやすく実践した店というワケだ。

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