米国株安や商品市況の下落を受けて手仕舞い売りがかさんで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月17日 16時26分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 先週末は週末の米国経済指標や週明けの日本の経済指標の発表を控えていたに関わらず堅調となりましたが、週明けの日本市場は大幅下落となりました。米国株安や円高を嫌気して売り先行で始まるところまではある程度予想はされましたが、その後のじりじりと値を崩し大幅下落となることは予想外と言えます。外国人も引き続き買い越しと伝えられ、注目されたGDP(国内総生産)も予想の範囲内で取り立てて売り材料とするような数字でもなく、あくまでも先物を中心とした目先的な需給に振り回されたということでしょう。

 相変わらず、わけも分からず目先的な需給、一部の持高調整の動きに振り回されている感じです。市場参加者も特に増えた感じでもなく、参加者の種類が限られていることで一方向に大きな動きとなり易いということなのでしょう。先週まではなかなか売り方が儲け難い相場だったと思われますが、オプションSQ(特別清算指数)算出が終わったことで、相場の性格も変わったのかもしれません。

 何かのイベントをきっかけに、特にSQなどをきっかけに相場の性格が変わる(方向やトレンドが変わるということではありません)可能性もあり、売り方が儲け易い相場となったのかもしれません。相場のトレンドや強含みの展開には変わりないのですが、目先的な過熱感を冷ますような相場に変化することで、買い方よりも売り方が儲け易い相場となったのかもしれません。順張りや逆張りという観点からしても恐らく、「もっと下がる」と思うと「もういいところ」で下げ渋り、「もう大丈夫」と思ったところからはまだ下がるような動きになるのではないかと思います。

 市場参加者が増えずに限られた投資家の間での目先的な心理変化が相場に反映されることで、売り易い、あるいは買い易い相場に変化してくるのではないかと思います。ただ、あくまでも影響があるのはこの限られた種類の投資家(目先筋=投機家)であって、中長期に景気の回復を期待するのであれば、目先的な過熱感を冷ますような場面では買い場となるのではないかと思います。売り方が儲け易い相場だからといって将来上昇しないというわけでもないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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