コラム
» 2009年09月01日 07時00分 公開

歩いて楽しい“まちづくりのススメ”松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

[松田雅央,Business Media 誠]

歩きたくなるまち

 では、歩いて楽しいまちを育てるにはどうすればよいのか。筆者はその第1段階を「歩きたくなるまちづくり」と考える。

 宇都宮を訪れた際に知り合った根本泰昌(やすまさ)氏は市を代表する繁華街オリオン通りで「世界のお茶専門店 Y's Tea」を経営し、まちづくりに取り組んでいる。生まれ育った宇都宮を離れ東京に就職した根本氏は帰省してオリオン通りを歩くたび、「日に日にオリオン通りの活気がなくなっている……」と寂しさを感じたそうだ。そしてある日決心した。「起業するならこの場所で! そして中心部の活性化に一役買おうではないか!」

宇都宮のオリオン通り(左)、シュトュットガルトのメインストリート(右)

 根本氏が「宇都宮まちづくり論集(4)」に発表した論文「みんなで楽しむ街づくり〜自ら出身地を言いたくなるような街を目指して〜」(参照リンク、PDF)の中に、中心市街地に住む女性へのアンケート結果が載っている。彼女たちは中心市街地への満足度が低い傾向にある。「宇都宮の中心市街地に住みながら、どういったものが不満か?」と質問したところ次のような答えが返ってきた。

  • ウインドーショッピングのような街歩きができない(有名ブランドの路面店等が絶対に欲しい)
  • 芸術性のある施設やビルがない
  • ランドマークがない
  • 流行を感じさせる雰囲気がかもし出されていない
  • 県外から友人が訪ねてきても、連れて行きたいと思うような場所が少ない
  • 商店街に宇都宮らしさが全く感じられない
  • 欲しいものを売っていない

 いずれも商店街の活性化に取り組む人が読めば「うーん」と頭を抱えてしまいそうなポイントばかり。しかし、見方を変えればこれらの指摘こそが、すなわち「歩きたくなるまちづくり」のポイントなのである。

 根本氏は店を経営しながら、魅力あるオリオン通りを育てるため自らユニークな仕掛けを用意している。その1つが地元のラーメン店「どる屋」落合氏との共同企画「鮎ラーメンと紅茶のコラボレーション」。栃木産の鮎からダシを取った塩味の冷やし中華「鮎ラーメン」に特製ブレンドの紅茶を組み合わせる、という一風変わったアイデアだ。ただしアイデア倒れに終わらないところが彼らの力量であり、この組み合わせが絶妙のハーモニーをかもし出している。(メニューは期日限定。食べたい方は事前確認を!)。

 こういったコラボレーションは地元メディアでも取り上げられ、それがまた商店街の活性化へとつながっていく。

Y's Tea店内で地元メディアのインタビューを受ける根本氏(中央)と落合氏(左)

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