米国株高、米国市場の引け後の半と歌い関連銘柄の業績上方修正というくらいしか買い材料がなかったのですが、大幅高となりました。為替が円高、寄り付き前に伝えられた機械受注は予想を大きく下回り2カ月ぶりの前月比マイナスとなったのですが、特に材料視されることなく堅調、大幅高となりました。輸出株も内需株もディフェンシブ銘柄も景気敏感株も高いという何とも不思議な展開となりました。
寄り付き前の予想に反して買い先行で始まり、最後まで堅調な地合いが続きました。先日もプロのディーラーと食事をする機会があり、話をしていたのですが、本当のプロは自分の考えを持っていながら、本日のように「予想外」の事態が起きたときにもしっかりと対応できるものなのです。「節操がない」といえばそれまでですが、どれだけ早く、自分の考えと違った事態に対し修正できるかどうかが問題となって来るのです。
野球やサッカーなどのスポーツでも「自分達のやり方をしっかりやることです」などというコメントを良く聞きますが、「自分達のやり方」にこだわると同時にそのやり方を相手に合わせ、天候に合わせて修正し、対処できるのが本当のプロなのでしょう。相場の見方でも「朝令暮改」ではいけないのでしょうが、「君子豹変」はほめられることであり、当初の予定が違えば、売り方から即座に買い方に回らなければならないのでしょう。
また、想定外のことが起きたときでも「何が起きたのか」「何で起きたのか」を瞬時に判断し対処することが必要でしょう。本日の相場でも「円高だから輸出株は売り」と考えていたとしても朝から買いが入っているのを見て「まとまった買いが入っているのではないか」とまずは疑ってかかり、断続的に買いが入っているようであれば、同業のほかの銘柄はどうか、相場全体としてはどのような動きとなっているのか、などを勘案して対処の仕方を決めればいいということなのです。自分の考えをしっかりと持った上で、視野を広く持ち、柔軟に対処することがうまく相場を乗り切っていくために必要なのでしょう。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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