雇用指標の改善や業績上方修正などを受けて5日続伸清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月11日 08時47分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9627.48△80.26

<NASDAQ>2084.02△23.63

<為替:NY終値>91.73-91.79

雇用指標の改善や業績上方修正などを受けて5日続伸

 新規失業保険申請件数が予想を下回り、雇用の改善が見られたことや商品市況が堅調なこと、また、前日の引け後に半導体関連企業が業績見通しを引き上げたことなどから買い先行となったものの利益確定売りもかさみ上値の重い展開となりました。ただ、利益確定売り一巡後は原油価格が堅調なことや主要企業の堅調な業績見通しや投資判断の引き上げなどを受けて買いなおされて堅調、ナスダック指数は大幅高となりました。雇用や個人消費への不安も減少し、景気回復を織り込み始めたということなのでしょう。

 5日続伸となりましたが、経済指標などが好転していることや利益確定売りをこなしているような感も強いこと、またドル安にもかかわらず、悲観的な見方が増えていないことなどから不思議と過熱感は薄いようです。ちょうど昨年の大暴落前の水準までダウ平均も戻り、1年たってようやく底入れが確認できたということでしょう。今後も雇用や個人消費などの回復度合いを測りながら、押し目を確認しながら底堅い展開が期待されます。

 個別には堅調な業績の見通しを示したプロクターアンドギャンブルが大幅高、スリーエムやなど大型株の一角も引き続きドル安を好感して買われました。シスコシステムズやヒューレットパッカード、IBMなどは堅調でしたが、業績の上方修正のあったテキサスインスツルメンツやインテルなどの半導体株は堅調な始まりとなったものの利益確定売りに押されて軟調となるものも見られました。業績見通しが予想を下回ったモンサントが大幅安、GE(ゼネラルエレクトリック)やクラフトフーズなども利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は予想を下回る機械受注や円高と言う悪材料にも関わらず、半導体関連銘柄の業績改善期待や持高調整の買いが入り大幅高となりました。日経平均は底入れ感が強まったのですが、TOPIXはまだ戻りきっておらず、ぎりぎりのところで節目での上値の重さを確認することになりました。先物主導でほぼ全面高となっており、本日も買いが続くかどうかが注目されます。

 米国市場が堅調なことから引き続き堅調な展開が期待されます。ただ、為替が一段と円高に振れたことや週末ということもあり、先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出後は手仕舞い売りに押される可能性も高いのではないかと思います。米国市場も5日続伸となっていることから、週末には手仕舞い売りとなる可能性も高く、先取りする格好となるのではないかと思います。朝方発表されるGDP(国内総生産)の改定値で下方修正となるようなことになれば朝方から利益確定売りが優勢となるのでしょう。為替を気にした動きから特に輸出関連銘柄や半導体関連銘柄などは手仕舞い売りに押されるのではないかと思います。

 日経平均は10500円を抜けて来ましたが、10500円と言うよりは10400円から500円の節目を保てるのかどうかが注目されます。10500円を超えるところからは戻り売りもかさんでくるものと思われ、為替も円高となっていることから上値も重くなりそうです。SQが買い優勢で始まるとその水準を上値として意識する動きも出てくるのかもしれません。下値も限定的となるのでしょうが、それ以上に上値も10500円を超えたところからは重くなって来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇4−6月期GDP改定値(内閣府)

◇8月の消費動向調査(内閣府)

◇7月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇ジャスダック上場:シーボン(4926)、SHO―BI(7819)

◇8月の米財政収支

◇7月の米卸売売上高

◇7月のインド鉱工業生産

◇4−6月のブラジルGDP

◇決算・7月期:フルスピード(2159)

◇決算・11−7月期:クミアイ化学工業(4996)、正栄食品工業(8079)

◇決算・2−7月期:丹青社(9743)

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