円高や金融株の増資懸念を受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月28日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 円高や金融株の増資懸念から大幅下落となりました。外国人売買動向も大幅売り越しと伝えられたこともあり、円高一服となるところでも上値の重さが気になって買い戻しも限定的となるなど、買い気に乏しい展開となりました。金融担当大臣や財務大臣などのコメントも迷走気味で市場では嫌気されたものと思います。

 新政権の課題もいろいろと取りざたされ始め、特に大臣のコメントなどが市場を混乱させているようです。これまで、新政権に対する期待から、民主党政権になるとこうなる、ということも比較的「どの業種、企業にメリットがあるか」と言うことが中心であり、デメリットが取りざたされてきませんでしたが、ここへ来て、為替の問題を筆頭に政策のデメリットが気になりだしたということでしょう。

 基本的に新政権の政策は株式市場にとって好ましいものではないことは分かりきっていたのですが、目先的な材料に乏しいところで過剰に反応しているような気もします。確かにこれだけ円高になると企業業績に影響が出てくるのでしょうし、「株が下がるような銀行は駄目だ」と金融大臣が言えば、市場で反応するのは無理もないことだと思います。

 目先的にはそうしたコメントなども気になるのでしょうが、為替にしても投機的な動きはともかく、実需の部分もあるわけであり、ちょっとした思惑で目先的に動きが出ても、大きな方向は変わらないものと思います。ドルと円の金利差や景気回復度合いなどを測りながら、為替も株価も落ち着くところに落ち着くものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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