米国株安や円高となったことを受けて売り先行となりました。先物を筆頭に主力銘柄が軒並み売り気配から始まるなどそれでなくても買い気の乏しい相場のなかで売りが先行、心理的な節目と見られる日経平均10000円を割り込み大幅安となりました。下値の節目と見られる9900円を割り込むところでは底堅さも見られましたが戻りも鈍く、大幅下落となりました。
好調な決算を発表するものも多いのですが相場の反応は鈍くなっています。相変わらず市場参加者は少なく、上昇するときに全く盛り上らない状況でしたが、下がるときも阿鼻叫喚の中で下げるということもありません。何度もこのコラムで述べていますが、市場参加者の少なさと言うか偏りが相場を歪めている面もあるものと思います。もちろん相場自体の動きは必ず「正解」なのですし、個別の銘柄を見るとしっかりと従来のような投資家が主体となっている銘柄も見られ、正常な面も見られるのですが、為替などへの反応が鈍いようなところは「歪んでいる」と見てもいいのでしょう。
決算状況は悪くないのに売られている要因は政策の先行きが読めないからだということも何度もこのコラムで述べていますが、そうは言ってもこれだけ底入れ感を示す決算が発表されると、相場が「歪んでいる」と見て、この業績回復の流れが続くと思われる銘柄をしっかりと物色しておけばいいのではないかと思います。もちろん、それが分からないから苦労をするわけですが、流れとしては「環境関連」や「個人消費」などというキーワードで探してみるのもいいのでしょう。
政策=政府の景気浮揚策には期待が出来ないので、個別に好業績ながらも持高調整の売りに押されているような銘柄の押し目を買うというように探していくしかないのでしょう。政策に関係のないところで、需要が伸びると考えられるようなところにしっかりと投資をして長い目で見るのがいいのではないかと思います。目先の政府当局のコメントなどには惑わされず、「先の先」をしっかりと見極めて行きたいものです。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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