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» 2009年11月04日 08時00分 公開

なぜ同じような雑誌が出てくるのか? 柳の下にドジョウが3匹の不思議どうなる? 紙メディア(2/4 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]

 当時、出版社系週刊誌の編集長は“文芸畑”出身者が多かった。なので最初のころの週刊誌は、小説が中心。このほかコラムなど、読み物が多かった。また本当かどうか分からないが、『週刊新潮』が手本にしたのは『THE NEW YORKER』※と言われている。

※THE NEW YORKER:映画やブロードウェイなど、ニューヨークの情報を中心に掲載している雑誌。また国内外の政治経済問題なども掲載されている。
『週刊新潮』(11月5日号)

 『THE NEW YORKER』を手本にして、どのようにしたら『週刊新潮』のようになるのか、分かりません(笑)。『THE NEW YORKER』はニューヨークを中心とした情報を発信しているが、『週刊新潮』も東京の街から情報を発信していこう、という編集方針があった。のちに新潮社は『03(ゼロサン)』という雑誌を創刊した。これは03……つまり東京の市外局番を意味し、東京の情報を地方、そして世界に発信しようという方針だった。しかし残念ながら、あっという間に休刊になってしまった。

出版社が新聞社を批判するのは“伝統”

 100万部以上もあった新聞社系の週刊誌に、出版社はどのようにして戦えばいいのだろうか。出版社は、新聞社系の週刊誌ができないこととして、まずメディア批判を始めた。いまもそうだが、新聞社というのはあまり他の新聞を批判しない。『週刊文春』が中心になってよく朝日新聞の批判をするが、これは“伝統”のようなもの。

 また出版社系の週刊誌は、スキャンダル記事の掲載を始めた。新聞というのは事件が起きて、警察が発表したものを掲載し、その後独自取材が始まる。つまり警察発表があってからしか、動けない。一方、出版社は事件になる前……つまり疑惑の段階から取材を始めていったのだ。もちろん当初からこういったことはしておらず、創刊当初は『週刊朝日』的な作り方をしていた。

 その後『週刊文春』『週刊現代』が出てきて、スキャンダル記事が有効であることが分かってきた。やがてスキャンダルを中心に追いかけていく……いわゆる「選択と集中」を行っていった。いまはスキャンダルと言っているが、当時は「ゴシップ記事」と呼び、政治家や芸能人などのゴシップを追いかけていたのだ。

 新聞社系の週刊誌は新聞に近く、“お上品”な作り方をしている。その一方、週刊誌系は毒々しく、下世話な作り方だ。しかしこの下世話な作り方がウケ、あっという間ではなかったが、着実に部数を伸ばしていった。

サラリーマン雑誌を目指した『週刊現代』

 次に『週刊現代』が創刊されたが、『週刊現代』というのは文春や新潮と違う“生き方”をしていった。私は『週刊現代』のことを“幕の内弁当スタイル”と呼んでいる。講談社というのは、昔から大衆紙を出す伝統があった。どちらかというと、スキャンダルに強い出版社ではなかった。当時『週刊文春』と『週刊新潮』がそこそこ好調だったため、講談社も週刊誌を創刊することになった。しかし、同じようなモノを出しも仕方がない。そこで考えたのは「1冊で何でもある雑誌」。『週刊文春』や『週刊新潮』になくて、『週刊現代』にあるモノといえば……グラビアの多さ。

『週刊現代』(11月7日号)

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