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» 2009年11月10日 08時00分 公開

やはり選挙に有利なのか? テレビに出演する政治家たちは(2/4 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]

メディアは深い分析をするべき

 今回の政権交代のようなことがあると、今後も黒か白かという議論が続くだろう。しかし一方的に政府与党が悪いというのではなく、メディア自身も考える必要があるのではないだろうか。メディアは空虚で平素な議論しかしていないが、これからは国民からの要求が出てくるのではないだろうか。

 例えば、より深い分析をしてほしい、より悩んでほしい、よりリスクをとってほしい――。こういった要求が、国民からメディアに対して、出てくるかもしれない。これまでは国民からの要求がなかったため、メディアは「みんなで同じようなことを書こうじゃないか」といった感じになっているような気がする。

 例えば「派閥政治がいつまでも続く自民党」といった内容の記事があった。それでは、どのようにして麻生政権ができたのだろうか。麻生さんの派閥は14〜15人ほどで小さく、従来の自民党であれば彼が総裁になることはなかった。では、なぜ総裁になることができたのだろうか。ご存じのとおり、総裁選前の世論調査で麻生さんの人気が高かったから。なので自民党は派閥政治よりも、選挙のために麻生さんを選んだのだ。そして人気の高い麻生さんが総理大臣になったわけだが、結局は一番人気の低い総理になってしまった(笑)。

 メディアが「総理にふさわしい人物は誰ですか?」と世論調査したところ、「麻生太郎」と書く人が多かった。そして私は地元に行ったり、ほかの人の選挙の応援に行った際に「あなたたちが麻生さんを選んだんですよ。だから自民党は派閥論理を越えて、彼を総裁にしたんですよ」と言った。すると多くの人から「新聞が、麻生さんが総理になりやすいと書いていたから、私たちは麻生さんと書いたんですよ」と反論された。

 ほとんどの人は麻生さんがどんな人物なのかをよく知らずに、彼の名前を書いたようだ。新聞は世論調査で「国民の価値判断を引き出そうとした」そうだが、有権者は「誰が総理になりそうか?」と感じていた。主要メディアはこうした世論調査を行っているが、国民との間に“ズレ”が生じていることを知るべきではないだろうか。

 私は月刊誌のインタビューで「政治とメディア」をテーマに語ったことがあるが、編集部の人から「こんなややこしい話は大学の准教授クラスでないと、興味を示さない」と言われてしまった(笑)。しかし麻生政権の人気の推移を見てみると、メディアと国民の間で生じるズレは「ある」と感じている。

テレビに出て、話をすると効率が良い

 ある新聞の関係者はこのように言っていた。「新聞は正確に書いているが、問題はテレビですよ。テレビは視聴率が上がれば良いといった番組作りをするから、世の中がおかしくなる」と。しかしテレビの影響力は強く、頻繁にテレビに出演する政治家は選挙に当選しやすい。米国のメディア事情に詳しい故宮沢喜一さんは「オーディオ・ビジュアル・ポリティックス(音響と映像と政治を組み合わせた)というモノが、日本にもやって来て、それに飲み込まれるだろう。それを考えると、気が重い」と言っていた。

 確かにテレビというのは、常に出演し続けなければいけない。1〜2週間ほどテレビに出ないだけで「先生、体悪くしたの?」と聞かれてしまう(笑)。そして2カ月も出ていないと「先生、力落ちたね」と言われてしまう。そうなると、テレビにずっと出演しなければならなくなってしまうのだ。

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