クリスマス・年末気分が強く積極的な売り買いは少なく指数は小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月25日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 欧米でもクリスマス休暇、日本でも週末ということで大きな動きはありませんでした。買い先行で始まったものの手掛かり難のなか、前日までの大幅高の反動もあり、週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。ただ、売り急ぐ動きもなく指数は方向コナンのない展開が続き閑散とした休日の雰囲気の中での動きとなりました。幕間つなぎ的に新興市場の銘柄や値動きの良さだけを見た目先筋の動きはあったのですが、市場参加者も少なく他の銘柄に波及することもなく、盛り上がりも限定的となっていました。

 政治と金の問題などが景気回復の腰を折らなければいいのですが、年末になってようやく落ち着きも見られました。20年前に日経平均が高値をつけたのが年末というように、年末には相場が高いことが多くなっています。新聞でも報じられていましたが、年末の5営業日では高くなる確率が高いということです。昨日も述べましたが、「来年こそは・・・・」と言う気持ちが強いことで年末の相場が高くなっているのでしょう。

 今年から大納会も大発会も「一日立会い」となり、ますます株式市場も昔の面影がなくなって来ました。年末の半日立会いの後、年末のあいさつ回りや打ち上げなどが「年末」と言う雰囲気を醸し出していましたし、大発会の後の初詣なども今後はなくなってしまうのかと思うと非常にさびしい感じです。年初から「アローヘッド」と言う新しいシステムが稼動するということですが、「立会い」がなくなってから久しく、徐々に株式市場が効率ばかりを追って、ギャンブル的な要素が強まってしまったような気がします。

 手数料の自由化もインターネットの発達も便利にはなりましたが、本来の「投資」と程遠い売買が主流になっているような気がします。「株で儲ける」と言う事が良くも悪くもロマンがあったような気がしますし、怪しげな輩が跋扈しているのもまた「兜町」らしくてよかったような気がします。もちろん投資家の裾野が広がるのはいいことなのですが、「何処か」「何か」が違うような気もします。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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