売り手不在(?)の中、「掉尾の一振」に期待した買いが入り大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月28日 16時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10634.23円 △139.52円
売買高 14億5713万株
日経平均先物 10630円 △120円
売買代金 9489億円
TOPIX 914.78 △5.39
値上がり銘柄 980銘柄
東証マザーズ指数 424.59 △9.81
値下がり銘柄 534銘柄
日経ジャスダック平均 1175.53円 △6.57円
変わらず 167銘柄
騰落レシオ 111.00% △5.76%

日経平均

売り手不在(?)の中、「掉尾の一振」に期待した買いが入り大幅高

 週末の海外市場はクリスマス休暇で朝方の為替市場も動きはなく、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられはしたものの株数自体が少なく、手掛かり難の中、買い先行の始まりとなりました。寄り付きの買いが一巡した後も底堅く、底堅さが確認されると買い戻しが入り、先物へのまとまった買いをきっかけに上げ幅を広げ大幅高となりました。「掉尾の一振」に期待するわけでもないのでしょうが、目先的な先高期待から売り込み難く、売り難いことで買いが入り、ますます売り難くなって大幅高の水準での動きとなりました。

 朝方発表になった鉱工業生産指数が好調なことを材料視する向きもありましたが、特に予想を上回ったわけでもなく、自動車の生産が好調だからと言っても自動車株がそれほど買われているわけでもなくなく、特に材料のないまま、後場に入ってからも売り難さは変わらず、引け値ベースの年初来高値を更新する場面もあるなど堅調な地合いが続きました。先物主導でもなく、輸出株が特に買われるわけでもなく、全般的に売り飽き気分と言うか売りが手控えられているなかでちょっとした買いで堅調となるものが多く、指数を押し上げたものと思います。

 小型銘柄も同様に売り一巡感のあるものが買われて堅調なものが多く、東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は散発的にまとまった買いも見られましたが、特に買い急ぐ場面があったわけでもなく、指数が動くきっかけにはなっても押し上げる動きはありませんでした。年末・年初の堅調な展開が期待されることから、散発的にヘッジ売りの買い戻しなどが見られたものと思います。

 欧米市場が休暇となる中で大幅高となりました。特に材料が出たわけでもないのですが、「鬼の居ぬ間に・・・」と言うわけでもないのでしょうが売り手不在(?)の中で買戻しや目先的な先高期待が高まり、買い急ぐ場面もあったものと思います。年末年始高を期待した買いが入り売り難くなったのでしょうが、特に材料がないだけにまだもみ合いの中と見た方が良いと思います。10700円台以上で引けなければもみ合いを「抜けた」と言うことにはならないのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 8月高値水準で上値を押さえられた格好となりました。抜け切らなかったことで目先的な過熱感が強まるといったん調整となるのでしょう。RSIには上値余地もあるのですが、下落を示唆しており、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、いったん押し目を試すことになるのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 雲を抜けて形としては「三役好転」となりました。ストキャスティックスは高値圏にあるのですが、RSIは上値余地もあり、遅行線が雲にサポートされて底堅さも見られるのでしょうがいったんは過熱感を冷ますように調整となるのでしょう。

円相場

NYダウ

 9月や10月の戻り高値水準である1ドル=92円水準で上値を押さえられた格好です。RSIは上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示しており、いったんは遅行線が雲の中での動きとなるようなもみ合いとなるものと思います。

銘柄ピックアップ

「掉尾の一振」期待の買いでほぼ全面高

フォスタ電(6794) 2725 △65

 先週末の大引け後に中国の生産拠点を設立すると発表、生産拡大により収益拡大が期待出来るとして、目先筋を中心に買いが入り一時大幅高となりました。

シャープ(6753) 1176 △25

 豊田合成(7282)と発光ダイオード(LED)と半導体レーザー分野で特許の相互利用を認めるクロスライセンス契約を結んだと発表。収益拡大期待が強まり買いが先行、堅調となりました。

東ソー(4042) 263 △2

 中国で建材や水道管に使う代表的な汎用樹脂である塩化ビニール樹脂の新工場を建設、中国での年産能力を現在の3倍に引き上げると新聞で報じられて買われ、堅調となりました、

レナウン(3606) 151 ▼16

 先週末に子会社の売却を発表、財務体質改善を好感する買いに押し上げられましたが、その反動から大幅下落となりました。主力銘柄が買われる中で幕間つなぎの材料株を手放す動きもあったものと思います。

JR東日本(9020) 5900 △30

 特に材料出たわけでもないのですが、先週の下落の反動、主力銘柄が輸出株を中心に買われるなかで割安感も強まったことで買い戻しが入り堅調となりました。高速道路無料化が見送られ、「1000円高速」も廃止となる可能性が出ていることも買い戻しを急ぐ動きとなったものと思います。

塩野義(4507) 1990 △33

 インフルエンザ治療の点滴薬が2010年1月にも正式に承認される見通しとなったことが好感されて買われ堅調となりました。ディフェンシブ銘柄を買い戻す動きも上げ要因となったものと思われます。

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