引き続き信用収縮懸念などから幅広く売られ、大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年01月25日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10172.98▼216.90

<NASDAQ>2205.29▼60.41

<為替:NY終値>89.83-89.89

引き続き信用収縮懸念などから幅広く売られ、大幅下落

 週末の米国市場は好調な決算を発表する銘柄が多かったにもかかわらず、引き続き金融規制やギリシャの経済危機、中国の金融引き締め懸念などからリスク資産を減らす動き、信用収縮の動きが強まり連日の大幅下落となりました。ニューヨークダウは節目と見られる10200ドルを割り込みましたが、ナスダック指数はハイテク銘柄に大きく売られたものが見られたこともあり、ダウ平均以上の下げ率となりましたが、かろうじて節目と見られる2200の水準を保ちました。金融規制を嫌気する動きから金融株が売られ、ハイテク銘柄は好決算を発表するものが多かったにもかかわらず、大きく売られるものが目立ちました。

 「リーマンショック」以来の上昇トレンドが一旦終わってしまうのかどうかの瀬戸際となってきました。ここからもう一段の下落となるとますます戻りの鈍い展開となり、市場のセンチメントも下を向いてしまうものと思われます。いずれにしても調整が長引く可能性もあり、決算動向への反応が鈍く、経済指標の改善も期待出来ないとなるとFRB(連邦準備理事会)の態度が注目されることになり、政府・金融当局の態度次第では調整が大きくなる可能性もありそうです。

 個別には好決算を発表したにもかかわらず材料出尽くし感からグーグルやアドバンスト・マイクロ・デバイスが大場安、連れてハイテク銘柄が全般に軟調となりました。予想を上回る決算を発表したにもかかわらず、アメリカン・エキスプレスが大幅下落、JPモルガン・チェースなど金融株も全面安となりました。原油価格の下落を受けてエクソン・モービルなど石油株は安かったのですが、金価格が下落した割にはニューモント・マイニングやパブリック・ゴールドなど金鉱株は底堅く、プロクター・アンド・ギャンブルはディフェンシブ銘柄の本領発揮で堅調、GE(ゼネラル・エレクトリック)も決算で一株利益が予想を上回ったことから堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安や前日の大幅高の反動、円高に商品市況が軟調となったことなどから売り先行で始まり、大幅下落となりました。外国人が引き続き買い越しと伝えられて出遅れ銘柄などに堅調なものが見られましたが持高調整の買い、目先的な需給要因に過ぎず、週末の見切り売りもあって大幅安となりました。

 週末の米国市場が引き続き大幅下落となったことや為替が円高に振れたこと、商品市況も軟調となったことなどから売り先行となりそうです。比較的為替に落ち着きが見られることから、外国人の買いが見られると底堅さも見られるのではないかと思いますが、反発となるだけの材料も見当たらず、政局の混乱もまだ続くと思われることから、軟調な展開となることは否めないものと思います。ディフェンシブ銘柄や円高メリットのある銘柄などには底堅さも見られるのでしょうが、中国の金融引き締め懸念も根強いことから輸出関連銘柄などは売り急ぐ場面も出てくるのかもしれません。

 日経平均は10500円から600円水準で底堅さも見られるかと思われましたが、シカゴ市場の日経平均先物も大きく下落しており、10500円水準を割り込んでその次の節目である10100円台半ばから10200円台半ばの水準を目指すことになるのかもしれません。いずれにしても下値を試す展開となるものと思われますが、為替に落ち着きが見られ、日本市場への資金逃避の流れで外国人買いが入れば10500円を割り込むようなところで底堅さも見られるかもしれません。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合(26日まで)

◇12月の米中古住宅販売件数

◇決算・4−12月期:カゴメ(2811)、JSR(4185)、KDDI(9433)

◇決算・10−12月期:米アップル、蘭フィリップス、伊フィアット、スウェーデン・エリクソン

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.