過剰な反応の反動で軟調ながらも底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年02月23日 16時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10352.10円 ▼48.37円
売買高 17億0947万株
日経平均先物 10350円 ▼20円
売買代金 1兆1608億円
TOPIX 907.37 ▼2.38
値上がり銘柄 653銘柄
東証マザーズ指数 400.61 △2.47
値下がり銘柄 859銘柄
日経ジャスダック平均 1200.03円 △8.51円
変わらず 170銘柄
騰落レシオ 77.09% △1.41%

日経平均

過剰反応への過剰な反応の反動で軟調ながらも底堅い展開

 米国市場が上げ一服となったことや為替が円高となったことで売り先行となりました。昨日は先週末の大幅下落の反動で大幅高となりましたが、今度は逆に買われ過ぎとなったことから買われ過ぎの調整もあって軟調となったものと思われます。ただ、寄り付きの売りが一巡した後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、一旦は底堅さも見られました。ただ、前場の引け際には戻りの鈍さを嫌気する売りも嵩んで前場は安値引けとなりました。

 後場に入ると特に材料が出たわけでもないのですが、前場の引け際に売られすぎた分の修正と言う感じで買戻しが入り、下げ幅縮小となりました。積極的に買い上がる材料が特にあるわけでもなく、対米ドルでは円高気味だったこともあり、一気に堅調となるとことまでは買われませんでしたが、対ユーロで円安に振れるなど「円キャリー取引」と見られるような動きもあり、好決算を発表しながらも売られていたような銘柄や好材料にもかかわらず売られていたような銘柄に買い戻しや買い直しが入り指数も底堅くなりました。結局終わってみると、「修正の修正」を修正しすぎた分を後場になって修正したというような感じで、軟調ながらも底堅い展開となりました。

 小型銘柄は堅調なものが目立ちましたインターネット関連銘柄などを中心に業績面からの見直し買いなども見られ、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均共に堅調となりました。先物も散発的にまとまった売り買いは見られましたが、方向感を持って売り買いが出ているわけでもなく、追随する動きはほとんど見られず、指数を牽引する場面もあまり見られませんでした。相変わらず目先筋中心となっているようです。

 売られれば買われ、買われれば売られるという状況です。本日の動きだけを見てもそうですし、先週からの動きも同じように売られすぎては買われ、買われすぎては売られるというような展開になっています。足元の業績はしっかりと回復を示しているのですが、外部要因を中心に先行きの不透明感が強く、買っても売っても落ち着かないということのようです。当面、目先の需給に振らされながらも日経平均10000円台前半中心の動きとなりそうです。3月期末をにらんで、金利動向や為替、また単なる持合解消やも持高調整の売り買いに振らされることになるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 下落している基準線に上値を押さえられています。ストキャスティックスは上値余地も若干ある中で上昇が続き、RSIも上昇が続いて上値余地もあり、まだ強含みの展開が続くものと思います。遅行線が日々線に絡むまでは強含みの展開が続くものと思われます。基準線をあっさりと抜けてくる可能性も高く、基準線に絡みながらの動きとなるのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 方向感のない展開となりました。RSIは上値余地も大きく上昇が続いており、ストキャスティックスも上値余地はあり、まだ戻りを試す動きが続くものと思います。基準線に上値を押さえられて基準線に絡みながらの動きとなるのではないかと思います。遅行線が日々線に絡むまでは大きな動きにはならず、少なくとも雲の中での動きが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き雲の中で底堅い展開となっていますが上値も重い状況が続いています。RSIもストキャスティックスも今度は下げ足りないような感じでしたが、雲の下限を意識して底堅く、戻りを試す展開となっています。まだしばらくは雲の中での動きと見ておいていいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

インターネット関連銘柄が高い

DENA(2432) 720000 △28000

 2009年の広告費総額でインターネット広告が新聞広告を抜いたと報じられたことでインターネット関連銘柄が総じて堅調、同社も証券各社の投資判断引き上げなどが相次いでいたこともあって、買われ大幅高となりました。

川崎船(9107) 326 △11

 手詰まり感の強い相場のなかで、コンテナ船の運賃改善が予想以上のスピードで進んでいるとして外資系証券が投資判断を引き上げたことから大幅高となりました。

TDK(6762) 5710 △50

 「スマートグリッド(次世代送電網)」の電源に使う中核的な電力変換装置を開発したと新聞で報じられ、今後の伸びが期待できる「スマートグリッド」参入が評価されて買われ、堅調となりました。

IHI(7013) 157 △5

 昨日の引け後に2010年3月期の期末配当を復配すると発表したことが素直に好感されて買われ、大幅高となりました。足元で海外事業などで工事採算の改善が進んでいることも評価されたものと思います。

パナソニック(6752) 1306 △2

 三洋電機(6764)の子会社化に伴い、約4500億円の無形固定資産を計上し約10年で償却する方針と新聞で報じられ営業利益ベースで年300億円程度の利益押し下げ要因となることが嫌気されて売られ、軟調となる場面もありましたが、買戻しも交えて底堅く小幅高となりました。

良品計画(7453) 3865 ▼70

 衣料品の値引き販売や販管費の増加などから、2010年2月期尾連結営業利益が前期比19%減となりそうだと新聞で報じられ、従来予想を下回ったことが嫌気されて売られ、軟調となりました。

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