過熱感が強く手仕舞い売りや利益確定売りに押される場面もあったが底堅さを確認して堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年03月15日 16時16分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 目先的な過熱感に加え、日米の金融政策動向を見極めたいという動きから手仕舞い売りが優勢となり、軟調となりました。為替が円安気味であり、外国人も買い越しと伝えられましたが先週末まで堅調な展開となっていたことで、持高調整などの売りに上値を押さえられると見切り売りやて利益確定売りを急ぐ動きとなり軟調となりました。景気回復、業績回復は期待できるだけに大きな下げとなるものも少なく、底堅さも見られました。

 経験則だとか「アノマリー」などとして、相場の法則性を見つけて投資をするという方法があります。「酒田五法」などと言われるようなチャートのパターン分析なども同じようなものなのですが、こうした手法を良くわからずに使って右往左往してしまうことがあります。いろいろな手法が取り沙汰されて「○○法」だとか「誰でも分かる・・・」などと言ってあたかも100%当たるかのような宣伝をしているものすら見受けられます。

 相場ではまず100%と言うことはありえませんし、「○○連勝!」などと言うことでもたまたま「○○連勝」したのか全くの嘘がどちらかだと思います。確かにしっかりと儲けている投資家やディーラーも多いのですが、そうした人達でも100%勝つことは極まれな期間であったりすることが多く買ったり負けたりしながら、着実に「稼いで」いる人が多いのです。つまり、常に負けよりも勝ちの回数が先行しているか、1回の負けの金額が1回の勝ちの金額よりも圧倒的に少ないということなのです。

 ですから、相場格言でも「利食い千人力」と言う言葉や「損切りは早く、利は伸ばせ」と言うことが言われるのです。だれでも分かっているのでしょうが、そうした行動の一つの目安として「経験則」や「アノマリー」をうまく利用すれば良いと思います。また、チャート分析にしてもアノマリーにしても、「何故そうなるのか」と言う本質をしっかりと理解して使わないと、形が同じでも反対に動いたり、アノマリーで説明がつかないことに対処できないことになってしまうのです。中国株が高いから日本株も高い、などと言うのも同様で「何故?」と言う気持ちを持って相場を見て見ると良いのではないでしょうか?

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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