転職活動のためのトレーニングに来られた40代の男性の例を挙げてみましょう。髪型、服装、姿勢を指南し、見た目は十分に自信がつきました。その後、実際の面接における歩き方、お辞儀、発声、話し方をさらにトレーニングさせていただきました。こちらも自信にあふれた雰囲気です。
そして、その後これから面接に行くことを報告に来られた時のこと。体に合ったスーツを新調し、話し方も歩き方も完璧であるにも関わらず、なぜか様子がおかしいのです。よく見ると、名刺入れやら、財布やら、携帯電話やらがごっそりスーツやパンツのポケットに入っているではありませんか。しかも、ジャケットの最下位のボタンを閉めているから、スーツに引っ張りしわがたくさんできています。
ボタンの閉め方は伝えていましたが、緊張のせいか、すべて閉めないと面接官に失礼にあたると思いこんでいたようです。これまでのブカブカのスーツであれば目立たなかった、ふくれあがったポケットも体に合ったラインのスーツになったことで異様に目立ったわけです。
しかし、これではいくら話し方、歩き方、あいさつが完璧でも、面接官からすると「???」でしょう。せっかくのよいプレゼンテーションも信頼度が弱まってしまいます。
その調査の日経記事の最後に、第一印象で失敗したと感じた経験の有無について尋ねたところ、半数以上が「ある」と回答していました。しかし、そのうちの3割は後で挽回に成功しているといいます。
もちろん、第一印象というのは感覚です。仕事ができそう、できなさそう。信頼できそう、できなさそう。あるいは、好きか嫌いかというような感情です。それだけで、すべて相手との関係が決まるわけではなく、その後のフォローによる内面的なつながりが重要です。
初対面の後のメールや手紙で、面会に対する感謝の意を伝えることで、その後交流を続ける関係になることもできるはずだと記事にはあります。もちろん、初対面がダメだと感じてもあきらめてはいけません。
しかし、メールを出しても相手がまったく自分を覚えていなかったり、嫌悪感まで持たれてしまっていたりすれば、かなりの挽回策が必要といえます。
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