また、本人が第一印象で失敗したと感じているうちは救えます。挽回しようと思えるからです。ところが、残念ながら、それすら気が付いていない場合がやっかいです。
この調査で「自信がない」と答えた方の自信がない要素は、「容姿」がもっとも多く35%でした。この場合、あきらめているケースがほとんどですが、お笑い芸人だって世間一般で言えば「容姿」が良い人は少ないにも関わらず、好感度の高い芸人はたくさんいます。方法論さえ分かれば、自信の出る「容姿」に変えることは簡単です。
それよりも、第一印象に「自信がある」(6%)、「ある程度はある」(42%)と答えている人が気になります。なぜなら、自分は「これで良し」としているからこそ、その服装、髪型を変えようとしない。第一印象で損をしているなんて思ってもいない人が潜んでいるからです。
いろいろな企業に研修でうかがいます。管理職の方への研修が多いため、ある程度、みなさん自信がある方ばかりです。プレゼンテーションをさせれば、堂々とお話しされて、さすがと思わせる方がほとんどです。
しかし、スーツはよれて、財布で胸ポケットがふくれあがり、靴はツヤがなく、スーツのボタンは開きっ放し、髪は寝ぐせに、肩にはフケ……。
冗談事ではありません。
それでも、本人の振る舞いや表情は至って自信満々なのです。自信があるにも関わらず、場合によって損をしているかもしれません。
さて、そこで提案です。先程の佐藤綾子氏の提案する5カ条を、みなさんそれぞれ頑張って意識してみてください。一昼夜ではうまくなりませんから、日ごろから努力が必要です。しかし、できるようになれば、第一印象に必ずやプラスに働くことでしょう。
そして、一昼夜で簡単に変えられる服装や髪形、靴、メガネなどを客観的に見てもらうために、信用できる人を1人捕まえて、あなたの見た目について率直な意見をもらいましょう。ちゃんと時間を10分程度は取ってもらい、真剣に聞くことがポイントです。「自分の第一印象を見直したいから」と理由もちゃんと伝えましょう。気心の知れた間柄であれば、必ずや率直な意見をくれることでしょう。
ちなみに、毎年4月〜5月に行う管理職昇格研修では、グループを組み、複数人から自分の「見た目」について何でも率直に伝えるワークショップを行います。これが意外と管理職のみなさんは楽しいようで、その後の飲み会の席でも盛り上がるそうです。管理職ともなれば、滅多に人に何か言ってもらませんからね。
変わるのに時間がかかる中身と違い、意識すればすぐに変えられる見た目。第一印象を良くすることは、恐ろしく簡単ということです。「それを怠っているなんて、ビジネスパーソンとして失格です!」とあえて声を大にして今テーマは終わります。(唐澤理恵)
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