高輝度点光源のLEDを使用して、柔らかな拡散光を発する面光源照明器具を開発・展示していたのが、医薬品メーカーとして知られる興和。同社は液晶ディスプレイのバックパネルなどに利用されている導光板を使用した各種の面光源の照明モジュールやデスクライトを展示していた。
このほかLED照明では、電球タイプや蛍光灯タイプのほか、LEDを組み込んだベースライト、シーリングライト、ダウンライト、スポットライト、屋外灯など、多種多様なジャンルの照明器具が多くのメーカー・ベンダーによって展示されていた。
LED照明は、任意の色調波長を作りやすいのが特徴。この特徴を生かして、植物の生育や、美白やアンチエイジングといった人間の生体反応の制御・活性化にLED照明を利用する試みを展示していたメーカー・ベンダーもある。
鍋清は、LED照明の色調波長で植物の生育や開花・結実を調節する「DELED Plants」を展示。同社は、1日の昼の長さ(日長)が一定時間以上にならないと開花しない長日植物(ひまわり)と、一定以下にならないと開花しない短日植物(菊)をブースに持ち込み、色調波長によって長日植物/短日植物がどのような生育・開花状況を示すかをデモンストレーションしていた。
高気密性や光量調整性を活用して、LED照明を漁業の集魚灯に応用した製品も展示されていた。イネックスの環境配慮型LED集魚灯調光システムがそれだ。
海上からの明かりの照射では、深海にいる魚を集めることに限界があり、また、海の深くへ明るさを届けるためには大量のエネルギーを必要とする。しかし海中に投入するLED集魚灯の場合は、深度に合わせて光量を調節することで魚を漁船の近くまで集めることができるため、より省エネルギーでより高効率に漁獲できるという。同社ブースでは、水中に沈めたLEDシステムでそれをアピールしていた。
地球環境問題は、CO2排出量削減=省エネ(化石燃料の使用量削減)が最重要課題であることは言うまでもないが、国益(全世界的な課題でもあるが)という観点から見れば、食料自給率向上は避けては通れぬ課題である。そういった意味で、農業や漁業といった第1次産業への省エネ・低環境負荷な先端環境技術であるLED照明の適用例は、今後を予見する参考になるのではないだろうか。
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