好決算に反応する動きはあるものの金融規制強化懸念が根強く小動き清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年04月27日 09時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11205.03△0.75

<NASDAQ>2522.95▼7.20

<為替:NY終値>93.94-94

好決算に反応する動きはあるものの金融規制強化懸念が根強く小動き

 週末のヘッジ売りの買い戻しや好決算や収益予想の上方修正を好感する動きなどもあり堅調な始まりとなりましたが、金融規制強化や短期金利の上昇が取り沙汰されて金融株などを中心に利益確定売りに押されるものが多く、軟調となる場面もありました。それでもFOMC(公開市場委員会)やGDP(国内総生産)の発表を控えて売り急ぐ動きもなく、好調な景気回復、業績回復を織り込むように底堅い展開となりました。

 業績回復が鮮明になるなかで、いよいよ出口戦略が取り沙汰され始めたということなのでしょう。金融規制の強化もいわば「バブル予防」的な話であり、出口戦略の一環とも考えられます。行き過ぎる分を先に抑制しておこうと言う話であり、企業業績の回復傾向への影響も限定的となるものと思います。FOMCやGDPの発表を前にいったん手仕舞う動きもあり、上値を押さえる要因となったのでしょうが、基調は強含みに推移していると思います。

 個別には好決算と収益見通しの上方修正を発表したキャタピラーが大幅高、連れてデュポンやスリーエム、GE(ゼネラル・エレクトリック)などが買われて堅調となりました。一方、金融規制強化懸念が強まり、JPモルガン・チェースやバンク・オブアメリカなど銀行株が軒並み安、シティグリープは公的資金に注入の際に取得した株式を売却すると発表されて需給悪化懸念もあって大きく売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は欧州金融不安、米国の金融規制強化懸念、中国の金融引き締め懸念が緩和したことや円安となったことが好感されて買われ、大幅高となりました。先週の持高調整の売り買いの打ち返しのような格好でほぼ全面高、大幅高となりました。ちょうど先週の初めと反対に一気に先週の下落分を戻す格好となりました。ここからが上値の重さを確認することになりそうで、好決算の発表も見られますが、どこまで織り込んでいけるかどうかといったところでしょう。

 米国市場はまちまち大型連休も近づいており、積極的に買い難いところではあるのですが、好調な決算や決算見通しの上方修正をする企業も多く、底堅い堅調な展開が期待されます。為替も円高に振れることもなく落ち着いており、昨日同様に買い戻しを急ぐ展開になると意外高となる可能性もありそうです。一方で昨日の大幅高の反動もあり、上値が重くなるところでは上値の重さを嫌気した手仕舞い売りなどに押される場面もあるのかもしれません。いずれにしても業績相場への入り口という感じで、好調な業績回復を示す銘柄は堅調な展開となって来るものと思います。

 日経平均は節目と見られる11000円をあっさりと抜けて大幅高となりました。それでもまだまだ波乱含みの中で11000円水準やその下の節目を試す場面はありそうです。当面は逆に戻りを試す展開となり、11300円から400円水準の節目を抜けるのかどうかを試すような動きとなって来るものと思います。TOPIXも1000ポイントの節目を抜けて、しっかりと1000ポイントの水準を保つのかどうかが注目されます。銀行株などの金融株よりも業績回復が見られるハイテク銘柄などが買われる可能性が高く、TOPIXよりも日経平均の方が動きが良くなるかもしれません。

本日の注目点

◇米FOMC(公開市場委員会)〜28日まで

◇2月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数

◇3月期決算:コマツ(6301)、シャープ(6753)、京セラ(6971)、リコー(7752)、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、ソフトバンク(9984)

◇1−3月期決算:米フォード・モーター、ユナイテッド航空、英BP、ロイズ・バンキング、独ダイムラー

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