職場にいると息が詰まりそう……どうすればいいでしょう長尾社長に“働く”について聞いてきた

» 2010年05月28日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 企業のトップに、読者からのさまざまな悩みについて答えてもらうシリーズ「“働く”について聞いてきた」。職場にいると息が詰まりそう……という人の悩みに対し、佐川フィナンシャルの長尾秀樹社長はどのように答えたのだろうか。

女性28歳Tさん、製造業

いまの職場では、仕事以外の会話ができません。みなさん黙々と仕事をしていて、息が詰まりそうな感じがしています。もちろん仕事なので、私語は慎まなければいけません。ただムダ口を叩いてはいけない……といった雰囲気は、ほかにも悪い影響が出ているような感じがしています。例えば有給休暇を申請することも、口に出して言えない空気が漂っています。どのようにすればこのような雰囲気を変えることができるのでしょうか。


上司や周囲に相談を

長尾秀樹社長

 まずお聞きしたいのですが、Tさんの職場の人間関係は良好でしょうか? 実は厚生労働省の調査(2007年)によると、職場の人間関係に強い不安や悩みのある女性は2人に1人いるという結果でした。

 「人間関係を良くしていく仕組みを持っている会社ほど伸びる」という言葉を聞いたことがあります。辛いときは、辛いと口に出したほうがいいですし、適度に愚痴を言うほうが効果的とも聞きます。仕事でもプライベートでも同じだと思います。

 Tさんがおっしゃっている「ほかにも悪い影響が出ているような感じがしている」というのはごもっともだと思います。コミュニケーションが少ない職場は、他者への関心が薄く、人間関係を作ることは難しいでしょう。職場でもプライベートでも人間関係を築くためには「あいさつ」や「声かけ」は基本ですし、「雑談」ができるようになれば、特に上司の方は、仕事において指示を出しやすくなり、生産性の向上につながると思います。

 風通しの良い職場環境づくりには、何も専門的なスキルは必要ないでしょう。あいさつや声かけ、これを続けて日々の自然な職場のスタイルにすることでもかなり変わってくるのではないでしょうか。

 まずは、Tさん自身から始め、Tさんの周りに浸透させていくのはどうでしょうか。そして忘れてはならないのは、1人では抱え込まずに勇気を出して、Tさんの上司や周囲に相談をしてみることです。ひょっとしたら、皆同じことを考えているかもしれません。キーパーソンはもしかしたらTさんかもしれません。気持ちを切り替え、がんばってください。

プロフィール:長尾秀樹(ながお・ひでき)

1956年9月、徳島県で生まれる。

1980年3月、東京大学法学部卒業、同年4月、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。建設省(現・国土交通省)派遣、ドイチェバンク(当時・西ドイツ)などの派遣を経て、2001年3月に関西支店次長。2002年3月、新規事業部次長、2006年6月、新産業創造部長、2008年6月、SGホールディングス株式会社入社・経営戦略部部長、2009年6月、佐川フィナンシャル株式会社・代表取締役就任、現在に至る。


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