週末の米国市場が堅調となったことや為替が落ち着いたことから買い先行となりました。持高調整の売りや信用収縮の売りも一巡となった感もあり、盛り上がりに欠ける展開ながらも大幅高となりました。欧州金融不安も一段落となり、中国の金融引き締めも米国の金融規制強化の話題もなく、久しぶりに金融に対する不安を煽るようなニュースの無かった週末となり、買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。
サッカーワールドカップが南アフリカで行われていますが、治安の不安などが取りざたされています。新興国での経済成長が期待される中で非常に不安を覚えますが同時に中国やインド、東南アジアや中南米の状況を見てもまだまだ治安という意味でも新興国の成長は続きそうな気配があります。先日もブータンという国の生活をテレビで見ましたが、国の中に信号が一つもないと言うことを言っていました。おそらく、こうしたところでは信号機の需要もどこかの時期に爆発的に増えるのでしょうし、他の新興国も似たり寄ったりなのではないかと思います。
中国での賃上げ=コスト増も問題視されていますが、新興国の成長が新たなお金の流れを呼ぶことには違いなく、人々の生活が豊かになるに連れ、企業の果たす役割も大きくなって来るものと思います。以前、カンボジアの新婚夫婦の生活をテレビで見ましたが、ここでもまだ冷蔵庫がない、というような状況であり、賃金が上がればこうした冷蔵庫などの需要も大いに盛り上がることになるのでしょう。
いろいろな意味で新興国の潜在力を商売に出来るようなところはまだまだ業容拡大のチャンスではないかと思います。今更薄型テレビを開発するということではなく如何に供給できるかということになるものと思われ、新興国で収益を上げるには社会インフラと同様に、生活向上に密接に関連する商品などを如何に供給するかということなのかもしれません。新興国の生活水準向上銘柄はまだまだ注目しても良いと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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