<NYダウ>10190.89▼20.18
<NASDAQ>2243.96△0.36
<為替:NY終値>91.56-91.62
朝方はユーロ圏の鉱工業生産指数が上昇となったことや米連銀幹部が今後もアジア諸国が牽引する形で世界景気の回復が続くとの認識を示したことが好感され、週末のヘッジ売りの買戻しなどもあって堅調、一時大幅高となる場面もありました。ただ、先週から戻り歩調となっていたことに加え、ギリシャの格下げが伝わり、銀行税や金融規制強化も信用収縮に一役買うような格好で上値を押さえ、上値の重さを嫌気して手仕舞い売りが嵩みダウ平均は軟調、ナスダック指数も横ばいとなるまで上げ幅縮小となりました。
ユーロ圏でも景気落ち込みに対する懸念が薄れ、金融不安や金融規制強化に対する懸念は残るものの、ユーロも底堅くなっています。金は利益確定売りに押されたものの原油価格などがしっかりとなり、信用収縮からの持高調整の売りも一段落となったようで、徐々に世界的な景気回復が欧州金融不安や金融規制強化懸念を打ち消すような展開となっているものと思います。ギリシャの格下げが伝わっても金融規制強化懸念が強まってもユーロが堅調となっていることを見ても、金融不安などよりも景気回復を期待しているということなのでしょう。
個別には景気後退懸念が薄れたことで、キャタピラーなど景気敏感株やインテル、アップルといったハイテク銘柄の一角が堅調、投資週刊誌で業績に好意的な見方が報じられたサンディスクが大幅高となるなどハイテク銘柄は総じて底堅い堅調なものが目立ちました。ギリシャの格下げなどが嫌気されてJPモルガン・チェースなど金融株は軟調なものが多く、コカ・コーラが安く、プロクター・アンド・ギャンブルが高い、ウォルマートが高くホーム・デポが安いと、個人消費関連銘柄はまちまちとなりました。
昨日の日本市場は週末の米国株高や円安を受けて買い先行となり、外国人も買い越しと伝えられたこともあって、大幅高となりました。持高調整の売り買いも一巡となり値持ちも良かったのですが、売買高は3月2日、売買代金は3月1日以来の少なさとなり、もろ上がりに欠ける展開となりました。積極的に買い上がる動きもなく、大幅高となったのですが、買い上がるというよりは売りが止まったところで買戻しが入ったという展開であったようです。
週明けの米国市場はダウ平均は軟調となったものの全体としては底堅く、日本市場も昨日までの大幅高の反動から利益確定売りに押されるのでしょうが、底堅い展開となりそうです。為替もユーロが堅調となるなど落ち着いた展開となっており、引き続き業績面から見て売られすぎた銘柄、割安感が強い銘柄が物色されて指数もしっかりとした展開となるのでしょう。半導体や電子部品関連を中心としたハイテク銘柄などは為替も落ち着きや新興国を中心とした景気回復を織り込むように引き続き戻りを試す展開となるのではないかと思います。
日経平均は9800円台に乗せて今度は9800円〜900円水準での上値の重さではなく、底堅さを確認する展開となるのかどうかが注目されます。為替が一段と円安に振れるような場面があれば9900円台から10000円を目指す格好となるのでしょうが、円高に振れるようであれば9800円台を保てるのかどうかが注目されることになるのでしょう。9800円台半ば水準でしっかりと引けてくるようであれば軟調となっても底入れ感も強まるものと思います。
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