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» 2010年07月02日 14時18分 公開

太陽光発電と新エネ技術が一堂に結集――PVJapan 2010(2/3 ページ)

[栗田昌宜,Business Media 誠]

エネルギーペイバックタイムが1年を切る太陽電池

 CIS(CIGS)系太陽電池は、ソーラーフロンティアとホンダソルテックが展示していた。両ブースとも、太陽電池を製造する時に使ったエネルギーと太陽電池が作った電気エネルギーが同じになるまでの期間を示すエネルギーペイバックタイムがCIS系太陽電池は0.9年と結晶シリコン系(1.5年)やアモルファスシリコン系(1.1年)に比べて短いことや、CIS系太陽電池はモジュールにかかる部分影の影響が少ないことをアピール。

部分影による発電状況の違いを示すデモ装置(左)。太陽電池モジュールの上に乗せた遮光板をずらしていくと、結晶シリコン系はランプが消灯してしまう時でもCIS系は点灯し続ける(右)

 それを示す具体例として、ソーラーフロンティアのブースでは、結晶シリコン系太陽電池に比べてCIS系太陽電池は年間積算発電量が約8%多かったという測定グラフや、その理由として、「結晶シリコン系太陽電池の多くは影によって発電しないセルの比率が増えると急激に発電量が低下し、一定以上になるとモジュール全体の発電が停止するのに対し、CIS系太陽電池はリニアに低下するだけで済むこと」を説明するパネルやデモ装置を掲示・展示していた。

CIS系太陽電池の優位性をアピールするソーラーフロンティアの展示パネル

 システムベンダー系では、4月に住宅用太陽光発電システム事業に参入した東芝が、公称最大出力210ワット、セル変換効率21.5%で、コンパクト・軽量化により一般的なものに比べて質量を約20%減らした米サンパワー製の単結晶シリコン太陽電池モジュールや、パワーコンディショナー、表示ユニットなどを展示。単結晶セルと多結晶セルとの発電量比較デモを実施していた。

多結晶シリコン系と単結晶シリコン系の発電量の差を示す東芝の比較デモ

 セル・モジュールメーカーの三洋電機をグループ会社化したパナソニックは、同じくグループ会社のパナソニック電工とともに、家や店舗、オフィス、ビルなどの“まるごとエナジーソリューション”を提案。ブースでは、温度上昇に伴う変換効率の低下を多結晶シリコンとHIT(単結晶シリコン+アモルファスシリコン)とで比較するデモや、パナソニック電工が7月1日に発売した公共・産業用太陽光発電システムなどが展示されていた。

多結晶シリコン系とHIT(単結晶シリコン+アモルファスシリコン)の温度上昇に伴う発電効率の差を示す三洋電機の比較デモ

 このほか太陽光発電システム関連では、大同特殊鋼が集光型の太陽光発電システムを展示。集光型はレンズを利用して数百倍の太陽光を小さな超高効率多接合型太陽電池セルに集めて発電する方式で、高価な太陽電池セルの使用量を大幅に減らせるため、低コスト化が見込める。

 集光型の場合は日射量が発電量にダイレクトに影響するため、発電量を増やすためには太陽追尾システムが必須だが、追尾システムの駆動用モーターの消費電力は定格1キロワット当たり0.6ワットとごくわずかなので、コスト面でもほとんど影響がない。また、架台以外のパネル下のスペースを緑地や駐車場などに利用できるため、土地活用の面でもメリットがあるという。

大同特殊鋼が展示していた集光型太陽光発電システム。量産化すれば大幅なコスト削減が見込めるという

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