決算発表を控えて上値も重く手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年07月12日 15時59分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場が堅調となったことや為替が円安傾向にあったのですが、参議院議員選挙の結果を受けて、政局の混乱を嫌気する動きもあり、売り先行となりました。それでも寄り付きの売りが一巡した後は持高調整の売り一巡感や決算発表を前に売られすぎた銘柄の反動や修正もあり堅調となりました。一方で政局の混乱が長引くと経済にも影響があるとの見方もあり、積極的な買いが手控えられて上値も重くなり、上値の重さが嫌気されると軟調となるなど小動きながらも方向感のない展開となりました。

 参議院選挙の結果が判明しましたが、特に市場に影響があったよいうような雰囲気もありません。ただ、昨年の衆議院議員選挙もその前の参議院、衆議院とどの選挙も、「自民圧勝」「民主圧勝」というように一方向に偏っているのが、今の株式市場と同じような動きであり、今の(といっても「今」に始まったことではないのかもしれませんが・・・。)市場心理、大衆心理を如実に表しているような気がします。

 一種の「ブーム=流行」がすぐに大きな流れとなってしまうことは携帯端末や携帯電話を見てもわかりますし、ドーナッツやラスクを買うのに行列が出来たりするのも同じ流れではないかと思います。人と違うことをすることに対する恐怖と、人と同じことをする安心感が一つの「スタンダード=基準」とされると我先にとその基準を求める傾向にあるのではないかと思います。インターネットの普及やテレビがどこでも見られるというような情報の氾濫がその流れに拍車をかけているのでしょう。

 流行に乗り遅れまいとするあせりもあり人と同じ行動を行いやすいのですが、実際にその動きが正解というと必ずしも正解とはいえないでしょう。高機能携帯端末にしても買ったはいいが使いこなせなかったり、ツイッターでつぶやいても単なる自己満足で終わって見たり、流行を取り入れて何かをするのではなく、流行に乗ることで満足しているケースが多いような気がします。株式投資の世界では流行をいち早く知ることや流行を作ることは大切ですが、必ずしも流行に乗るだけでは投資もうまく行かないのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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