週末の大幅下落の反動や好調な企業業績を好感して反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月20日 08時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10154.43△56.53

<NASDAQ>2198.23△19.18

<為替:NY終値>86.67-86.73

週末の大幅下落の反動や好調な企業業績を好感して反発

 日本市場が3連休となっている間の米国市場は週末は芳しくない経済指標や週末の手仕舞い売りもあって大幅下落となりましたが、週明けの市場は住宅関連の指標は相変わらず芳しくないものの、週末のヘッジ売りの買戻しや足元の企業業績が好調ということ、また、M&A(企業の買収・合併)に絡む話題などもあって堅調となりました。買い戻し一巡後は景況感に対する懸念も根強く軟調となる場面もありましたが、売られすぎの修正もあり堅調となりました。

 先行きに対する懸念が払拭されたわけでもないのですが、相変わらず芳しくない経済指標と好調な企業業績という図式で、これらを材料に目先の需給に振らされて右往左往している感じです。新興国などを中心に特に半導体関連などの企業はしっかりと収益を上げており、先行きに対しても比較的楽観的に見てもいいのでしょうが、その企業の収益が米国内に還元できていないということなのでしょうが、疑心暗鬼で悲観的な見方が多いだけとも考えられ過度な悲観も過度な楽観も禁物と言う感じです。

 個別には4−6月期決算が予想を上回ったハリバートンが大幅高、好調な決算を見直す動きでインテルが高く、決算発表を控えたTI(テキサス・インスツルメンツ)やIBMが決算期待から買われ、ハイテク銘柄は堅調なものが目立ちました。ただ、引け後に発表された決算で売上高が予想を下回ったことから、両社とも売られ、大幅安となっています。また、住宅価格指数が予想を下回ったことから、DRホートンやレナーなど住宅株は軟調となりました。航空機の受注が報じられたボーイングやアナリストが一株予想を引き上げたマイクロソフトも堅調、M&Aに絡んでモトローラも大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は円高や世界的な景気回復鈍化懸念から売られ大幅安となりました。3連休を控えた週末ということもあり、手仕舞い売りも嵩んで大きな下げとなったものと思います。先物のヘッジ売りも多かったようで、先物が主導する格好で指数を押し下げました。米国半導体企業の好決算も特に材料視されず、悪材料に敏感に反応する格好となりました。

 日本市場が3連休となっている間の米国市場は週末に大幅安となり週明けに反発となったものの戻り切らず、日本市場も軟調となりそうです。ただ、為替もユーロが落ち着いていることや米ドルも下げ渋っていること、ハイテク銘柄などには引き続き好調な決算が見られることなどから、底堅さも見られるものと思います。すでに先週末の手仕舞い売りである程度織り込んでいるように売られていたこともあり、反発も期待したいところですが、シカゴ市場(CME)の日経平均先物もまだ戻っておらず、いったんは下値を試す動きとなりそうです。

 好調な決算が期待される銘柄には底堅さも見られ、指数も底堅い展開が期待されます。ただ、節目と見られる9500円〜600円水準をあっさりと割り込み、5月、6月の安値水準である9400円割れの水準で下げ渋りが見られないと、9200円〜300円の安値圏のもみ合い水準での底堅さを確認することになりそうです。9000円を割り込む可能性は少ないものと思われますが、好決算期待と為替の影響がせめぎ合う形で下値を試す動きになりそうです。

本日の注目点

◇5月の景気動向指数改定値(内閣府)

◇6月の全国粗鋼生産(鉄鋼連盟)

◇6月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇大証が先物・オプションの夜間取引時間を延長

◇4〜6月の香港失業率

◇6月の米住宅着工件数

◇6月の北米地域の半導体製造装置BBレシオ

◇カナダ中央銀行、政策金利発表

◇ブラジル中央銀行、通貨政策委員会(21日まで)

◇海外4−6月期決算:アップル、ゴールドマン・サックス、ヤフー、ジョンソン・エンド・ジョンソン

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