遊びのなかの色と形 クルト・ネフ&アントニオ・ヴィターリ(4/7 ページ)

» 2010年08月26日 08時00分 公開
[上條桂子,エキサイトイズム]
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 次にヴィターリ氏の展示室へ。アントニオ・ヴィターリ氏はもともと彫刻を学んでいたが、自分の子どものために玩具を作ったことがきっかけで玩具製作の世界に入る。丸みを帯びた抽象化されたフォルムが特徴的で、その中にも動物や人間らしさがにじみ出ており不思議な魅力のある玩具だ。

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 ヴィターリ氏の代表作とも言える「Glucke(とりの親子)」。にわとりのお腹はくりぬかれており、3羽の小鳥が収納できるようになっている。ヴィターリ氏は、1952年にバウハウスのマックス・ビルが自著「Form」の中で紹介、その後ウルム造形大学で展示されたことで一躍デザイン界で有名になった。ネフで玩具を作るようになったのは、そのあとのことである。

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 これは制作工程と金型。金型に沿って成形されていく途中で、木の節目や穴が見つかることがあり、そういった製品はラインから省かれていくのだ。

 2009年にチューリヒデザイン美術館で開催された「ヴィターリ生誕100年展」で展示された作品やスケッチ、パッケージなども巡回展示されている。ヴィターリ氏は、1992年に自身の作品をすべて同館に寄贈している。

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