コラム
» 2010年09月06日 08時00分 公開

菅さんの悪い癖、“小沢総理”の不安藤田正美の時事日想(2/3 ページ)

[藤田正美,Business Media 誠]

 しかしちょっと待ってほしい。来年度予算の編成はすでに始まっている。概算要求の段階では96兆円。去年の史上最大の予算をさらに上回る。ここに菅総理の意向は反映されていないと菅さんは言っているのだろうか。そうだとしたらおかしな話である。本来、概算要求を控えて思い切った政治主導をしようと思えば、概算要求の中に各省の大臣はもちろん、総理の意向だって反映されなければなるまい。もしそれができていなくて、これから年末の予算編成までにやるのだとしたら、それはあまりにも「泥縄」というものではないだろうか。

“小沢総理”の不安

 一方の小沢さんは、「1割削減」などという一律のシーリングは自民党時代の官僚的手法そのものであると批判する。「政治家が責任をもってこの予算は不要である、あの予算は増やすように」という判断をすれば、予算の組み替えによってマニフェストを実行することができるというのである。この主張は2009年、総選挙のときに民主党が主張してきたことそのままだ。

 もしこの小沢さんの考え方が現実的ではないとするなら、どうやって財源を生み出すのかということについて、菅首相は説明しなければなるまい。しかし、消費税で参院選を失ったというトラウマから増税問題は封印したままだ(その代わりというか、雇用を増やして税金を払ってもらうなどと言い出した)。

 もちろん“小沢総理”に不安がないわけではない。予算の組み替えはともかくとして、普天間基地移転問題は「日米合意は尊重する」と言いながら、考え方としては鳩山前総理の「最低でも県外」に近いように思える。日中韓の3国関係は非常に重要だと主張し、政治体制の違いはあっても率直意見を交換できればその先には「東アジア共同体」が見えてくるとも主張する。どうもこの辺りは国内政策とは違って、あまり現実感がないように見える。

 中国海軍が着々と戦力を強化し、東アジアのバランスが変化しつつある中で、いったい日本はどのように自国の安全を守ろうとするのか。そこがどうもよく見えない(もっとも菅首相も、日米同盟が基軸であるということは主張するものの、普天間問題については時間稼ぎをしているようにしか見えない)。

菅さんが勝っても、小沢さんが勝っても

 それぞれの意見を聞いている限り、総合的には小沢さんのほうがまっとうのように思える。しかし、小沢総理になれば内閣支持率はかなり厳しい数字になることも予想される。政治とカネの問題も国会で追及されるだろうし(もっとも野党が新しい材料を持っているわけではないから、迫力のある追及はできないだろうが)、不透明な経済状況に迅速に対処するのが難しくなる可能性もある。

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