米国株安や円高を嫌気して売られ大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年09月08日 17時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9024.60円 ▼201.40円
売買高 14億7355万株
日経平均先物 9010円 ▼210円
売買代金 1兆0062億円
TOPIX 820.99 ▼13.93
値上がり銘柄 198銘柄
東証マザーズ指数 374.67 ▼5.55
値下がり銘柄 1347銘柄
日経ジャスダック平均 1175.90円 ▼5.09円
変わらず 87銘柄
騰落レシオ 93.45% △0.77%

日経平均

好調な機械受注の発表があったが、米国株安や円高を嫌気して売られ大幅安

 朝方発表された機械受注は予想を大きく上回ったのですが、米国株が大幅安となったことや円高となったことから、売り先行となりました。昨日の下落である程度織り込まれていたことなどもあり、寄り付きの売りが一巡となった後はいったんは下値も限定的となりましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しと伝えられたこともあり、じりじりと下げ幅を広げました。輸出関連銘柄だけでなく、円高メリットのある銘柄やディフェンシブ銘柄なども軟調となり、ほぼ全面安となりました。

 後場も一段と売りが嵩んで9000円水準の下値を試す動きとなりましたが、特に売り急がなければならない理由もなく、前場に続き心理的な節目と見られる9000円水準で下げ渋りとなりました。ただ、底堅さを確認しても買戻しを急ぐ動きもなく、方向感のないなかで安値圏で小動きとなりました。さすがに9000円を割り込むような水準からは売り叩き難く、目先筋の買戻しも入り、最後は下げ渋りから若干戻しての引けとなりました。

 小型銘柄も見切り売りが嵩んで軟調となりました。東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均は底堅いながらも軟調となりました。先物はいつものことながら前場はまとまった売り買いが見られましたが、後場は寄り付きこそまとまった売りも見られたのですが、その後は指数を動かすような動きは見られず、逆に、小口の売り買いが中心となって為替に振らされる場面もありました。

 米国株安や円高の割りに下げ幅が大きくなりました。景気の先行きに対する懸念と言っても今に始まったことでもなく、円高メリット銘柄まで売られていたところを見ると、また株売り−債券買いのような動きも出ていたのかもしれません。売買高は依然として閑散としており、政府・日銀の無策を嫌気するように底入れ感、先高期待は出てきません。円高政策ならば円高政策で、「何をするのか、したいのか」をしっかりと国民にわかるように示さないと無策ぶりがますます嫌気されて、日本株の買い手もいなくなってしまいそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 大幅安だが転換線にサポートされて下げ渋りとなりましたが基準線水準である9200円〜300円の水準が上値として認識されてしまった感じです。RSIは上値余地もあったのですが下落に転じ、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示しています。このまま転換線にサポートされて底堅く、日柄整理となるのか、いったん安値を試すような展開になって値幅の整理ということになりそうです。いずれにしても基準線が上値を押さえることになりそうです。

TOPIX

NYダウ

 基準線を一気に割り込んで転換線のサポートを確認するような展開となりました。RSIには上値余地もあったのですが、下落に転じ、ストキャスティックスは高値圏からの調整を示唆しています。それでも転換線にサポートされて比較的底堅い動きでの調整となるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 下値を探る展開となっています。ストキャスティックスは底値を目指しているのですが、RSIはまだ動きは少なく、値幅的、あるいは日柄的にもう少し下値を試す動きとならないと反発となりそうもありません。底値固めというよりは底値模索ということなのだと思います。

銘柄ピックアップ

機械受注は好調だが先行き懸念からほぼ全面安

ファナック(6954) 9460 ▼110

 朝方発表された機械受注が予想を大きく上回り、機械株の代表である同社株への買いも期待されましたが、円高など地合いの悪さや先行き懸念から売られ、軟調となりました。

アドバンテ(6857) 1583 ▼72

 円高が進んだことなどから売り先行、大幅安となりました。新聞で社長のコメントが報じられ、市場予想の2011年3月期は連結営業利益が強すぎるとされたことも嫌気されて下げ幅拡大となりました。

アンリツ(6754) 482 ▼34

 地合いの悪さに加え、昨日、ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行すると発表、希薄化や需給悪化を嫌気する売りに押されて大幅安となりました。

ハイデ日高(7611) 1112 △22

 2011年2月期の単独営業利益が主力ラーメン店の売上が好調なことなどから、前期比5割増となりそうだと新聞で報じられ、好感する買いが入り堅調となりました。

トヨタ(7203) 2875 ▼61

 米国株が大幅下落、円高となったことや「エコカー補助」が終了されることから、減産を余儀なくされるのではないかとの見方から売られ、軟調となりました。

大幸薬品(4574) 1215 ▼122

 総じて軟調な相場の中で大幅高となりました。「新型耐性菌」の保有者が国内で見つかったことで、同社の除菌消臭剤が感染予防に役立つとの思惑から買われました。手詰まり感の強い相場の中で幕間つなぎ的に値動きの良さが好感されたのですが、最後は目先筋の手仕舞い売りに押されると一斉に売られ一転して大幅安となりました。

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