ちきりん:世界を見ると、大きなスラム街は首都の近くにあることが多い。都市の中に高層ビルがある一方で、そのそばにあるスラムで人が住んでいる。両者は距離的には近いけど、精神的には隔絶していて、コミュニケーション的には遠い。
これはあくまで推測ですが、スラム街に住んでいて「自分もいつかは隣に見えている富裕層の世界に住める」と考えている人は少ないのではないでしょうか。逆に富裕層の人はスラム街に住んでいる人に対し、“お金をあげる”的な行動をしたりする。お互い「住む世界が違う」といったことを理解しているように感じるんですよ。日本も経済がしぼんでいけば、このような格差を固定的に捉える世界になると思いますか?
赤木:なるかもしれませんが、少なくとも、一代や二代ではならないでしょう。
ちきりん:なるほど。
赤木:自分や自分の子どもの世代は、もし日本社会がそのようになっても「乗り越えられる」と考えるのではないでしょうか。しかしそこで、お互いが“分かれない状況”をどこまで保っていけるか――ということが重要になるでしょうね。
そのままにしておけば、富裕層はよりお金を持ち、貧困層はより貧しくなってしまう。その距離をいかにして詰めていくか、ということが国の役割だと思っています。
→続く。
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兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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