なぜニホンで“格差”がなくならないのかちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(5)(3/3 ページ)

» 2010年09月21日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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ちきりん:世界を見ると、大きなスラム街は首都の近くにあることが多い。都市の中に高層ビルがある一方で、そのそばにあるスラムで人が住んでいる。両者は距離的には近いけど、精神的には隔絶していて、コミュニケーション的には遠い。

 これはあくまで推測ですが、スラム街に住んでいて「自分もいつかは隣に見えている富裕層の世界に住める」と考えている人は少ないのではないでしょうか。逆に富裕層の人はスラム街に住んでいる人に対し、“お金をあげる”的な行動をしたりする。お互い「住む世界が違う」といったことを理解しているように感じるんですよ。日本も経済がしぼんでいけば、このような格差を固定的に捉える世界になると思いますか?

赤木:なるかもしれませんが、少なくとも、一代や二代ではならないでしょう。

ちきりん:なるほど。

赤木:自分や自分の子どもの世代は、もし日本社会がそのようになっても「乗り越えられる」と考えるのではないでしょうか。しかしそこで、お互いが“分かれない状況”をどこまで保っていけるか――ということが重要になるでしょうね。

 そのままにしておけば、富裕層はよりお金を持ち、貧困層はより貧しくなってしまう。その距離をいかにして詰めていくか、ということが国の役割だと思っています。

 →続く

ちきりんさんのプロフィール

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

 →Chikirinの日記


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