持高調整の売り買いなど目先の需給に振らされて方向感なく乱高下清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月01日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9404.23円 △34.88円
売買高 20億9064万株
日経平均先物 9390円 △30円
売買代金 1兆3265億円
TOPIX 829.97 △0.46
値上がり銘柄 525銘柄
東証マザーズ指数 369.85 ▼0.71
値下がり銘柄 996銘柄
日経ジャスダック平均 1181.38円 ▼1.89円
変わらず 135銘柄
騰落レシオ 119.04% △1.52%

日経平均

持高調整の売り買いなど目先の需給に振らされて方向感なく乱高下

 米国市場は軟調となったのですが、底堅く、為替も落ち着いていたことや昨日の大幅安の反動もあり、買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡となったあとも円安気味となったこともあり、一時大幅高となる場面もありました。ただ、物色対象も絞りきれず一部の値がさ銘柄が指数を押し上げるだけで軟調なものも多く、同業種内でも高安まちまちとなるなど指数の割りに方向感のない展開でした。上値の重さが確認されると持高調整の売り買いが中心の中で上げ幅縮小となりました。

 後場も方向感はなかったのですが、疑心暗鬼な相場であるだけに上値の重さを嫌気したような売りが出ると一斉に売られ、株が売られると為替も円高に振れるという展開で一気に軟調となる場面もありました。それでも、売りが続かないと見ると今度は買戻しを急ぐ動きとなり堅調となるなど方向感の見えないなかで乱高下となりました。結局目先の持高調整に振らされる格好で物色対象も絞り切れず、方向感のない展開が続きました。

 小型銘柄も週末の手仕舞い売りもあって軟調となりました。主力銘柄同様に物色対象も絞り切れずに方向感はなく、東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物も現物株の売り買いなどと併せてまとまった売り買いも見られ、指数押し上げる場面も押し下げる場面も見られました。ただ、方向感を持っての動きというよりは目先のヘッジや小掬い商いが中心であったようで、指数は動かすものの方向感を出すことはありませんでした。

 現物株も先物も持高調整の売り買いが中心で方向感が見られません。10月相場ということですが何の変化もないいつも通りの週末ということになりました。決算が終わると処分売りや配当を取った後の利益確定売りなどか嵩むことも多く、また、中間決算の発表前に持ち株を処分するような動きにあり、昨年、一昨年と10月は大きな下落が見られる月となりました。ヘッジファンドなどが11月の決算を控えて持高調整をすると言うこともあり、今年も波乱含みとなりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の中での動きとなっています。RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整が続いており、まだ下値を試す動きが続きそうです。基準線の上昇を待って基準線のサポートを確認する格好となるか、遅行線が基準線にサポートされて底堅さが見られるか、雲の下限や基準線まで一気に下落となって値幅調整完了となるのか、遅行線が日々線のサポートを確認するまで下落となるような展開ではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 雲の下限や基準線にサポートされて底堅い展開となりました。遅行線も日々線を意識すると下げ止まるということなのでしょう。RSIはまだ下値余地もあるのですがストキャスティックスはそろそろ底値圏となっており、ここで下げ止まる可能性もありそうですし、下値を試す展開となっても遅行線が日々線にサポートされて底入れとなるのでしょう。

円相場

NYダウ

 下値を探る展開が続いています。RSIもストキャスティックスもまだ下値余地はあるのですが、そろそろ底値圏となり、いったんは底堅さも見られるものと思います。今の段階では介入でもないと戻ったとしても遅行線が日々線に上値を押さえられ、日々線も基準線までの戻りとなってしまいそうですが、大きく下押すこともなさそうで、日柄調整がもう少し続くということかもしれません。

銘柄ピックアップ

持高調整の売り買いが中心で方向感の見えない展開

ファナック(6954) 10640 △10

 目先的な過熱感もあり上値も重くなっています。持高調整の買いが入り堅調な展開が続いているのですが、中国PMI(製造業購買担当者景気指数)が2カ月連続で改善したことから一段高となる場面もありました。

セガサミーHD(6460) 1295 △19

 昨日の引け後に2011年3月期連結純利益が前期比85%増となりそうだと発表、パチスロ機の販売が好調で、期初計画を大きく上回るとしたことが好感されて大幅高となりましたが目先筋の手仕舞い売りも多く上値を押さえられました。

メガチップス(6875) 1495 △95

 前日の大幅下落の反動から大幅高となりました。国内証券が従来と投資判断と目標株価を維持したことから売られ過ぎの反動として買われました。

国際帝石(1605) 403000 △10000

 前日の大幅下落の反動やインドネシアでのガス田の権益取得が発表されたことを好感して買い先行となりましたが、持高調整の売りに押され上値も重くなり場面もありましたが売り一巡後は再度買われるなど目先の需給に振らされました。

相鉄HD(9003) 335 ▼35

 売り気配から始まり大幅下落となりました。昨日の引け後に公募増資での資金調達を発表、株式価値の希薄などを嫌気する売りに押されました。公募を発表すると売られる流れには抗えなかったようです。

ポイント(2685) 3090 ▼700

 昨日の引け後に2011年2月期の通期連結業績の下方修正を発表、厳しい経営環境の継続が嫌気されて売りが嵩み、ストップ安比例配分となりました。大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことも売りに拍車をかけました。

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