最高醸造責任者に聞く、ギネスビールの“正しい”飲み方(2/3 ページ)

» 2010年10月07日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

ギネスビールを注ぐ上での注意点

「ギネスビールの“儀式”を楽しんで」という最高醸造責任者のファーガル・マーレイ氏

――まずギネスビールを飲むときに、注意することは何でしょうか?

マーレイ:ギネスビールをグラスに注いだときに泡立つカスケードショーは、“儀式”のようなもの。そしてその儀式を楽しんでもらいたいですね。

 ギネスビールをおいしく飲むためには、3つのことが欠かせません。まず素晴らしいバーに行くこと。そこで良いバーテンダーに注いでもらい、最高のサービスを受けてください。2つめはグラスに注がれた美しいギネスビールを見つめてください。アイルランドでは「(ギネスビールを)目で飲む」とも言われています。3つめは飲むときの味わいと香味を楽しむこと。口の先は甘み、そしてのど元では苦味を感じてもらいたいですね。

――ギネスビールを注ぐ上で大切なことはありますか?

マーレイ:まず美しいグラスを用意してください。サーバーのヘッドをゆっくりと傾ければ、ビールの液体が生き生きとしてきます。ギネスビールはグラスに一気に注ぐのではなく、2段階に分けて注がなければいけません。なぜならこれから飲もうという人に、グラスの中で生き生きとしているギネスビールを堪能してほしいから。またきれいな泡をつくるために、時間をかけなければいけない。そして119.5秒待てば、ギネスビールをおいしく飲むことができますよ(笑)。

缶から直接飲んではいけない

――ギネスビールの缶で注ぐ場合には、どのような点に注意しなければいけませんか?

マーレイ:まず自然乾燥させた常温のグラスを用意してください。できればギネスビールのためにデザインされた専用のグラスがいいのですが、なければ大きめのグラスを使う方がいいでしょう。

 缶は3時間以上、冷やしてください。そして缶をなるべく揺らさずに、平らな場所に缶を置いてから開けてください。一気にタブを引いて、すぐに飲んではいけません。缶の中の泡が盛り上がってくるのを待ち、グラスを45度ほどに傾けてください。缶はグラスから数センチ離し、ゆっくりと注いでくださいね。そしてサーバーで注ぐときと同じように、泡立ちを楽しみながら119.5秒待てばおいしく飲めますよ。

 ちなみに絶対にやってはいけないこととして、ギネスビールは缶から直接飲んではいけません。またグラスを冷やさず、高い位置から注がないでくださいね。

ギネスビールをゆっくりと注ぐマーレイ氏(左)、注ぎ終わったあとに、119.5秒待つ(右)

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