限られた売り場を最大限に活用して、面積当たりの売り上げを高めているコンビニ。約100種類の新商品が毎週発売されているが、売れない商品は発売から2週間ほどで撤去されてしまう。厳しい審判をくぐり抜け、コンビニでヒットしているのはどんな商品なのか。一般には「おいしい商品」「お得な商品」「テレビCMが放映されている商品」が売れると思われがちだが、実は重要なのは「店頭展開」。このコラムでは、コンビニのヒット商品を展開方法の観点から分析していく。
伊藤園が新ブランドである「TEA'S TEA」を発売して以来、紅茶市場はシェア争いが激化している。そして飲料メーカーの紅茶戦争が激化するに従って、市場での認知度も向上していき、紅茶市場全体も大きく伸びてきた。
コンビニの飲料売り場を見ると、ひと昔前の「日本茶」中心の売り場作りが、「紅茶」中心の売り場作りへと変化してきている。ゴールデンライン(目線を動かすことなく視界に入る高さ)と呼ばれる位置に例年だと日本茶飲料が陳列されるが、紅茶飲料がその位置を奪取した状態となっているのだ。
飲料カテゴリーは今年の猛暑を受けて売り上げが伸びているが、中でも近年、比較的順調に売り上げを伸ばしてきたカテゴリーが紅茶である。
ダイヤモンドオンラインの記事『じつは唯一成長している紅茶飲料 飲料メーカー各社が注ぐ熱い視線(参照リンク)』によると、2010年上半期はお茶類や缶コーヒー類、ミネラルウオーターなど主要飲料の出荷が前年比でマイナスになる中、紅茶飲料だけが唯一プラス成長を果たしたという。
飲料大手のキリンビバレッジの調査によると、消費不況の中、紅茶市場は前年比9%増。今年は定番ブランドのノンカロリー商品が相次いで登場したため炭酸飲料が話題となったが、数字だけ見ると実際は同1%減だったので、紅茶飲料の異彩ぶりが際立っている。
筆者がコンサルティングするに当たっても、今年の猛暑を読み切れていなかったので、春の時点ではソフトドリンク売り場で紅茶を大々的に展開するよう指導をしてきた。その理由は、飲料全体の売り上げが好調な店舗は、紅茶飲料の売上構成比が高い傾向にあったからだ。
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