コラム
» 2010年12月03日 08時00分 公開

元採用担当者が語る、就活の舞台裏吉田典史の時事日想(2/4 ページ)

[吉田典史,Business Media 誠]

 大体、筆記試験を行う前にある程度のボーダーラインを設けておきます。そのラインを例えば上位5%の点数を取った人、それを偏差値に置き換えて60だとします。問題は、そのボーダーラインの前後に位置する学生たちの扱いです。つまり、偏差値58〜62のあたりです。私たちは少しでも優秀な学生を面接に呼びたいので、この学生たちのエントリーシートも確認していました。

 このボーダーラインの取り扱い方ですが、筆記試験の後に控えるグループディスカッションにも人数制限があります。そこでその人数に合わせるべく、ボーダーラインを設定するのです。

 ただし、その時点で機械的に「上げ下げ」を行ってしまうと、本当に内定を出したかった学生も不合格にしてしまう可能性があります。そこでボーダーライン前後の人に限り見始めるのが、エントリーシートです。

 その時に割ける時間にもよりますが、偏差値でいう前後2、つまり58〜62のあたりの学生のエントリーシートを確認して、入れ替えを行っていきます。

 中には、62くらいの成績であってもエントリーシートがあまりにも「手抜き」や「コピペ」であることが分かるようなものは、たとえその人を通しても面接で落ちてしまいます。58くらいの成績であっても、例えば“熱い想い”が凝縮されているエントリーシートであれば、内定まで行く可能性があります。この場合は、面接試験に呼びます。こういったやり方でボーダーライン前後について「上げ下げ」を行っていました。

東大生でも即、面接には呼ばない

 エントリーシートには、在籍(出身)大学や学部が記入されていますが、仮に東大生だからといって即、面接に呼ぶことはしません。きちんとしたことが書かれてあることが必要です。漫然と見ていくわけではなく、いくつかの評価項目がありますからそれに沿って判断をしていました。そこで点数が高い学生は、難易度が低くとも面接試験に呼びました。

 その後は、グループディスカッション(集団面接)をしていました。ここではほかの学生と交えて話し合っていきますが、大勢いる中でのコミュ二ケーション力を確認していくのです。

 さらに、複数回の面接試験を行います。1回目の面接官は現場の担当者、2回目が人事部の担当者。3回目が採用チームのリーダー(管理職)、4回目が最終面接となり、役員などといった流れです。ここでもいくつかの評価項目があります。面接官は1次面接から最終面接まで同じ項目に基づき、学生たちに点数をつけていきます。

 振り返ると、こうして多くの面接官が見ていくと、結果としてそれなりに精度の高い試験になっていたのではないかなと思います。自分たちの眼力には自信はありました。そもそも、学生たちを見定める目があることを前提に面接試験をするのですから。それがないならば、とてもあのような試験はできませんよ。

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