学生の本音は画面に? 2011年の就職トレンドは“ソー活”(2/4 ページ)

» 2011年01月14日 13時30分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

従来のセミナーに不満を感じている

――今の学生はどのような就職活動を行っているのでしょうか?

岡崎:就職活動のプロセスは大きくわけて4つに分けられる。まず興味がある企業を探して「エントリー」しなければいけない。これは昔の「資料請求」に該当する。資料請求をするのには就職情報誌や求人票などを使っていた。しかし今の学生は就職サイトを使っている。つまり、オフラインからオンラインに変化した。

 そしてエントリーを済ませた後は、一次接触にあたるセミナーに参加しなければいけない。セミナーは学生と企業が互いを知り合うためのものだが、時間や場所といった制約があるので絞り込んでいかないといけない。学生は参加する企業を絞り込み、企業は参加人数が限られているので、セミナーに参加する学生を絞り込んでいかないといけない。本来、セミナーというのは双方が知り合う“場”であるはずなのに、その機能を十分に果たしていないのだ。

 またエントリーではネットを利用していたが、次のセミナーではいきなり人と会わなければいけない。その急激なシフトにより、双方がコミュニケーション不全に陥っているのではないだろうか。

――セミナーに参加した学生はどんな不満があるのでしょうか?

 セミナーなどに参加した学生からはこんな意見が寄せられている。「周囲の就活生を見ていると、結局、ウソで自分を着飾るしかないのか」「本音と建前が混在する社会に嫌気がさす。ウソをついてまで内定がほしいとは思わないが、ある程度ウソをつかないと内定はもらえない気がする」――。

 こうしたコミュニケーション不全に風穴を開け始めているのが、ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションではないだろうか。就職活動は「エントリー」「セミナー」「選考」「内定」といった形で進んでいく。最初のエントリーで、学生はネットを使って幅広くアプローチできる。そしてセミナーの場でいきなり対面していたが、ソーシャルメディアを使うことでワンクッション置くことができる。

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