限られた売り場を最大限に活用して、面積当たりの売り上げを高めているコンビニ。約100種類の新商品が毎週発売されているが、売れない商品は発売から2週間ほどで撤去されてしまう。厳しい審判をくぐり抜け、コンビニでヒットしているのはどんな商品なのか。一般には「おいしい商品」「お得な商品」「テレビCMが放映されている商品」が売れると思われがちだが、実は重要なのは「店頭展開」。このコラムでは、コンビニのヒット商品を展開方法の観点から分析していく。
コンビニのレジカウンターの前に陳列されている商品といえば、代表的なものは「ガム」だろう。コンビニでのガムの位置付けは非常に重要で、あるコンビニチェーンではお菓子分類における売上構成比の12%を占めている。
そして、ガムの商品としての真の優位性は、面積当たりの売上効率の良さにある。例えば、チョコレートは売上構成比ではガムの約2倍あるのだが、チョコレート売り場のスペース(展開面積)はガム売り場のスペースの2〜3倍必要となるので、面積当たりで見るとガムの方が効率が良くなるのだ。
次の表は、お菓子分類の商品の面積当たりの平均日商を比較したものである。コンビニにおけるガムの重要性が認識できるだろう。
それではコンビニでは、どんなガムが売れているのだろうか。現在、ガム分野では「キシリトール」「ACUO」「フィッツ」(ロッテ)、「クロレッツ」「ストライド」(キャドバリー)、「キシリッシュ」(明治製菓)の6ブランドがしのぎを削っている。
次の表は、あるコンビニチェーンにおける2006年11月と2010年11月のガムの売れ筋ベスト10の販売数合計を比較したものである。この4年間でクロレッツが21%から33%にシェアを伸ばし、キシリトールが22%から13%へとシェアを落としていることが分かるだろう。
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