経済指標の改善も見られて底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年01月26日 08時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10464.42△119.31

<TOPIX>929.28△12.10

<NYダウ>11977.19▼3.33

<NASDAQ>2719.25△1.70

<NY為替>82.25▼0.26

芳しくない決算や住宅指標に押されるも、経済指標の改善も見られて底堅い堅調な展開

 朝方発表された決算が芳しいものではなかったことや前日の上昇の反動に加え、住宅指標の悪化もあって大きく下落する場面もありました。ただ、消費者信頼感指数が予想以上に改善したことで、企業業績の回復が個人消費に好影響を与え始めて、景気回復期待もあり、堅調となりました。金先物や原油先物が上昇一服となったのですが、特に信用収縮懸念が強まるということもなく、底堅さも見られました。

 大統領の一般教書演説やFOMC(公開市場委員会)を控えて手仕舞い売りが嵩む場面もありました。一方で軟調となるところでは買戻しも入って底堅く、経済指標の好転、特に個人消費の改善が示されるような指標には敏感に反応しています。引き続き景気回復を織り込みながら堅調な地合いが続くものと思われますが、個人消費や住宅、雇用といった改善の遅れているものの回復が確認できるのかどうかと言うことなのでしょう。

 個別には前日の引け後に好決算を発表したテキサス・インスツルメント(TI)は買い先行となったものの利益確定売りに押されて軟調、HP(ヒューレット・パッカード)も安くなりました。一方でインテルは前日の地合いを引き継いで堅調、IBMやアップルも堅調となりました。金融株は引き続き手仕舞い売りに押されるものも多く、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど総じて軟調、原料高の影響で5四半期ぶりに減益となったと発表したスリーエムも売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は大幅高となりました。米国株が堅調となったことを受けて買い先行となり、持高調整の売りに押されて売られすぎた銘柄なども買い戻されて大きく上昇、米半導体株が高かったことから、半導体関連銘柄など指数の影響の大きな銘柄をはじめほぼ全面高となりました。特に買い急がなければならない理由があったわけでもないのですが、買戻しを急ぐ動きもあって大きな上昇となりました。

 米国株が底堅い、堅調な展開となったのですが、為替が対米ドルで円高となっていることもあり、日本市場は上値の重い展開となりそうです。決算発表も始まりましたが円高の影響で通期業績の修正をためらう企業や収益を押し下げてしまう企業も見られ、決算動向と合わせて為替動向にも振らされ易くなるのではないかと思います。ただ、業績の回復が見られるものも多く、決算発表を控えて積極的に買い上がる動きも少ないのでしょうが、好業績が期待できるハイテク銘柄などを中心に総じて底堅い堅調な展開が期待されます。

 日経平均も10500円〜600円水準の節目を抜け切れずに再度10200円〜300円水準での底堅さを確認する動きとなりました。持高調整の売りが一巡となった感もあり、引き続き持高調整の売りが止まっているのであれば、堅調な地合いが続き10500円〜600円水準の節目を目指す動きとなり、好業績を発表する企業が多く見られれば次の節目である10800円〜900円水準を目指すことになるのでしょう。

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