芳しくない経済指標で上値も限定的清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年01月28日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10478.66△76.76

<TOPIX>929.66△7.02

<NYダウ>11989.83△4.39

<NASDAQ>2755.28△15.78

<NY為替>82.90△0.74

好調な決算発表に反応するも芳しくない経済指標で上値も限定的

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を上回って増加、昨年12月の耐久財受注も前月比で増加を見込んでいたものが減少となり、景気回復スピードの鈍化が懸念されました。ただ、一方で好調な決算を発表するものに素直に反応する動きもあり、指数は上値も重かったのですが堅調となりました。企業業績は引き続き回復が進んでいるのですが、なかなか個人消費や雇用、住宅関連の経済指標の好転に結びつかず、積極的に買い上がる動きも鈍っているようです。

 好決算に反応して堅調な地合いは続いているのですが、原油や金などの先物価格も軟調となるなどこれまでの過剰流動性から積極的に買い上がる動きも徐々に様子見気分が強くなっているようです。ドル安や金融緩和の効果から企業業績の回復は見られるのですが、米国内需の回復は「今一つ」と言う感じで、景気回復度合いを計りながら堅調な展開は続くものと思われますが、行き過ぎの修正などを行いながらの堅調な相場と言うことになりそうです。

 個別には好調な決算を発表したヤフーが大幅高、連れてマイクロソフトやグーグルなども堅調、インテルやIBMも高く、アップルは小幅安となりましたが、ハイテク銘柄は総じて堅調となりました。金融株も冴えない動きとなっていただけに買い直され、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど堅調となりました。景気回復スピード鈍化が懸念されましたが、キャタピラーが好決算を発表して利益確定売りに上値を押さえられながらも堅調となりGE(ゼネラル・エレクトリック)やホーム・デポなども堅調となりました。金先物価格が下落となったことでパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは売られましたが、原油先物価格の下落にもかかわらず、エクソン・モービルやシェブロンは堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを好感して買い先行となったものの利益確定売りや手仕舞い売りに上値を押さえられる場面もありました。昼の立会い外取引でまとまった買い決めが見られ、投資信託設定の思惑もあって後場から上げ幅を拡大、堅調となりました。全面高とならずに同じ業種でも高安まちまちとなり、物色対象も絞りきれないと言う状況で、投資信託や年金などの買いが中心となっていたものと思います。

 米国市場は上値は重いのですが堅調となり、日本市場も好調な決算や円安を好感して堅調な展開が期待されます。ただ、円安となった要因である国債の格下げや週末ということで先週末と同じように手仕舞い売り、「日本売り」となるのかどうかが懸念され、上値も限定的となりそうです。足元の企業業績の順調な回復はある程度織り込まれているものと考えれば円安を好感するというとりはいったん手仕舞っておこうという動きも出てきそうです。まとまった売りが見られると物色対象を絞りきれていないだけに一斉に手仕舞い売りが嵩むことになってしまいそうです。

 日経平均引き続き10500円〜600円水準を目指す動きには変わりないものと思われ、本日も10500円を抜けると売りが出るというように節目と見られる水準を意識して上値も重くなりそうです。下値は節目と見られる水準は10400円を割り込むような水準であり、10500円台を固めきれないと好決算なども材料出尽くしとなって、また10200円〜300円水準での底堅さを確認するようなことになってしまいそうです。

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