景況感の回復を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月02日 08時50分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10274.50△36.58

<TOPIX>913.52△3.44

<NYダウ>12040.16△148.23

<NASDAQ>2751.19△51.11

<NY為替>81.34▼0.70

欧州景気回復の兆しや好決算、景況感の回復を好感して大幅高

 ユーロ圏のPMI(購買担当者景気指数)が改善したことやドイツの失業率が改善、中国の利上げもなかったことに加え、好決算の発表も多く買い先行となりました。懸念されていたエジプト騒乱の広がりも見られず、事態が収拾に向かっていることや午前中に発表されたISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況感指数が2004年5月以来の水準に上昇したことも好感されました。ドル安や金融緩和効果が着実に示されていること、また、これまでの懸念材料が全て緩和されたことで買い戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 欧州金融不安や中国金融引き締め懸念、エジプト騒乱の拡大に米国景気動向という懸念材料が昨日は全て払拭とまでは行かないまでも緩和された格好となり、株価の大きな上昇となったものと思います。心理的な節目と見られていたダウ平均の12000ドルを抜けて来たことで、今度は達成感というよりは強気筋が増えてくるのだと思います。まだ、懸念材料がぶり返すこともあり、その度に下に振らされる場面もあるのでしょうが、基調は強含みと見ておいていいものと思います。

 個別には好調な決算を発表したものが素直に買われ、ファイザーやUPSなどが大幅高、BPも堅調となりました。欧州景気の回復などもあって、金融株も高く、バンク・オブ・アメリカは大幅高、JPモルガン・チェースも堅調となりました。ISM製造業景況感指数が大きく上昇となったことで、景気敏感銘柄も高いものが多く、GE(ゼネラル・エレクトリック)が大幅高、キャタピラーやインテル、アップルなども堅調、原油価格は下落となりましたがBPの好決算に連れてエクソン・モービルなど石油株も高く、アルコアやモンサントなど素材株は大幅高となりました。新車販売は好調と発表されましたが、フォード・モーターやGM(ゼネラル・モーターズ)は利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や前日までの大幅下落の反動から買い先行となり、堅調な展開となりましたが、為替が円高気味であることや中国の利上げ懸念、エジプト騒乱の拡大懸念、そして米国の注目される経済指標の発表を控えていると言うことなどから、積極的に買い上がる動きも限られ、好決算の発表に素直な反応となるものも見られたのですが、物色対象が広がると言うこともなく、指数の上値は重くなりました。

 本日の日本市場は米国株が大幅高となったことから買い先行、堅調な展開が期待されます。ただ、為替が円高となったこともあり、上値も限られてしまいそうです。好調な決算を発表したにもかかわらず、地合いの悪さに押されていた銘柄などは反発も期待されるのでしょうし、円高が進まなければ押し目を確認したようなハイテク銘柄にも買いが入って来るものと思います。春節で中国市場が休場となり、利上げ懸念がいったん薄れるものと思われ、中国関連銘柄なども買われるものと思われます。

 日経平均は10200円〜300円水準の底値固めという展開が続きそうです。円高ということがなければ、底値固めから再度10500円〜600円水準の節目を目指す動きとなってくるのだと思いますが、円高を懸念してその水準まで一気に上昇とはいかないと思います。それでも、とりあえずは決算発表に反応しながら10300円台を固める動きとなるものと思います。

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