堅調だが利益確定売りで上値も重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月17日 16時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が堅調、為替も円安気味ということで買い先行となり、持高調整の買戻しもあって堅調となりました。出遅れ銘柄への乗り換えの動きなども見られ、買い方の回転も効いているようで、指数には過熱感もあるのですが、うまく「循環物色」となっているものと思われます。好調な決算が出揃い、見直す動きもあり、また、懸念材料も徐々に薄れていることで割安銘柄など「買える銘柄」を探していると言うことなのだと思います。

 大証の先物取引が今週から高速売買となり、昼休みの時間帯にも取引をするようになりました。何が変わったか、と見てもほとんど変わりのないように思われます。東証の株式売買システムも昨年から高速売買に対応するものになり、多くの証券ディーラーが職を失った、と新聞に出ていましたが、本当にここまで高速の売買が必要なのかどうかは実際に売買をしているわけではないですが、疑問に思うこともあります。

 実際に大量の売買をするときには便利なのかもしれませんが、例えば大きなトレンドを見る上で必要なのかどうかと言うことです。もちろん、高速売買をする投資家(投機家)がいると市場に厚みがあるとかいろいろな問題はありますが、特に「ミリ秒」単位でのスピードを追求する必要があるのかどうかと言うことです。実際に成立しない注文も多く注文状況を見ながら目先の売買をするような人は惑わされてしまうことも多いと思います。

 逆に大きなトレンドを取るために高速システムは必要がないと言ってももちろん高速であって困ると言うことでもなく、そうした高速のシステムに対応した売買をすることが成功することと言うことになるのだと思います。「アルゴリズム取引」と同じことを、つまり値動きや注文状況などを見ながら売買する方法で機械に勝とうとしても無理なのでしょうし、注文スピードでは勝負になりません。ですから、「アルゴリズム取引」の影響を考えつつ、影響されないような売買が正解と言うことになるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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