インタビュー
» 2011年03月22日 12時00分 公開

キライになるほど日本がスキ――中国若手作家が語る日本熱(2/3 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]
『那些生命中温暖而美好的事情』

――日本を舞台にして書いた小説もありますね。

落落 2005年末に出した『那些生命中温暖而美好的事情』(販売数25万部)という短編小説集ですね。私はとても日本が好きで、“日本オタク”という感じになっていたことから、日本を舞台に書きました。青春ラブストーリーということで、その前の『年華是无效信』と内容はまったく違うのですが、高校生を描いた学園モノという共通点はありますね。

 当時は郭敬明さんが有名になり始めたころで、まだ青春小説という概念もありませんでした。『那些生命中温暖而美好的事情』は表紙がマンガ絵なのですが、手にとって中を見ると、「あれ、中身は小説だ。どうしてなんだろう?」という感じでよく売れたようです。

 それは日本の雑誌やライトノベルを参考にしたのではなくて、雑誌に連載した時の挿絵がマンガ絵で、単行本にまとめるときにその中から良い絵を選んで、カバーにしたからです。当時はまだ、日本のライトノベルはそれほど中国に入っていなかったように思います。

日本はちょっと大げさ

――日本をどのようにご覧になっていますか?

落落 中国で私は“哈日族(ハーリーズー、日本文化が好きな人)”と位置付けられると思います。何度も日本を訪れていて、日本のことはよく分かっています。訪れれば訪れるほど、日本のいろんなことが見えてきて、面白くて好きになります。ただ、たくさん訪れると、日本の本質のようなもの、日本と中国の民族性の違い、理解できないこと、ちょっと反感を持つようなところも見えてきたりします。

 時々感じるのは、日本はちょっと大げさだということです。とても細かいことまで考えているのですが、「それってそこまで考える必要があるのかな?」と思うようなこともあります。

 例えば、2010年は猛暑だったので、熱中症が話題になったことがありました。日本では雑誌もテレビもネットも、「●●すれば予防できます」といったことを事細やかに伝えていました。中国ではネットで日本のテレビ番組が見られるのですが、「それって『涼しくしよう』のひと言で済むことじゃないかな。ちょっと大げさだな」と感じながら見ていました。

――今まで日本のどんな場所を訪れましたか?

落落 一番多く行っているのは京都です。京都からは日本の伝統的な雰囲気が感じられて、好きなんです。

 もともと私はとてもアニメが好きだったので、初めて日本を訪れた時は秋葉原に行きました。中国のアニメファンでも、「秋葉原に行きたい」という人はとても多いです。でも、日本の文化がだんだん分かってきて、もっと知りたいと思うようになった時、「京都に行くのが一番いい」と思うようになりました。

――落落さんの作品は、日本のアニメなどの影響を受けていますか?

落落 小説を書き始めたころは、それまでに読んだアニメやマンガなどの中で印象に残ったシーンにインスピレーションをもらっていました。ただ、日本を訪れるようになってからは、日本で見かけた情景の中で、さまざまな人の生活を想像し、自分の中で物語を作るようになりました。

 中でも電車の中にいる人々の情景が好きで、その人々の生活や心の機微などを書いてみたいと思っています。2両編成くらいの江ノ電のような小さな電車が好きですね。

落落さんのブログ。時折、日本語を交えて書いている

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