インタビュー
» 2011年03月22日 12時00分 公開

キライになるほど日本がスキ――中国若手作家が語る日本熱(3/3 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]
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アニメで描かれる日本の風景に魅力を感じる

 1日に短縮されたシンポジウムでは、「春の桜、入学式、夏の花火大会、海辺のすいか割り、こいのぼり、秋の紅葉、会社からの帰り道に屋台でおでんを食べる、野原の上を横切る電車、学校のベランダで休憩して話している学生たち……。そうした日本の風景がアニメできれいに描かれていて、若い中国の視聴者の心をとらえた」と語った落落氏。日本のアニメはストーリーだけではなく、そこで描かれている風景も中国で広く評価されているようだ。

――日本のさまざまな習慣に魅力を感じられているんですね。

落落 例えば、「豆瓣」というWebサイトには「乙女心成長公式」というコミュニティがあります。ここは日本のマンガやアニメの中でも、ラブストーリー系の好きな人が2000人以上集まっています。

 参加者は日本のアニメなどを見て、その中で憧れたようなことを書きこんでいますね。ここにいる人たちはみんな、「卒業式に第2ボタンをもらう」といったような習慣が好きですね。年代的には高校生から25歳くらいまでが中心ですが、30歳くらいの人もいますね。

豆瓣のコミュニティ「乙女心成長公式」

――中国ではどんな日本作品に人気があるんですか?

落落 女の子の間では『君に届け』や『NANA』、男の子の間では『ガンダム』や『銀魂』が人気ですね。

――日本では今、『魔法少女まどか☆マギカ』というアニメが非常に話題になっているのですが、中国ではいかがですか?

落落 知ってはいますが、中国ではまだそんなに人気があるとは言えないですね。

――『オタ中国人の憂鬱』では、「中国では高校生以下の恋愛が悪とされている」と書かれていました。『君に届け』は高校生の恋愛を描いていますが、大丈夫ですか?

落落 中国で高校生同士の恋愛は歓迎されているわけではないですが、タブーや禁止といったものではありません。『君に届け』はプラトニックな青春ラブストーリーなので問題ないですね。中国で問題になるのは、高校生同士が身体の関係を持ったりすることなので。

――日本のビジネスパーソンも、日本作品に触れて育った中国の若手ビジネスパーソンと関わることも増えてくると思うのですが、そんな時、どんな作品をネタにすると盛り上がりますか?

落落 『聖闘士星矢』や『SLAM DUNK』ですかね。ファンというほど詳しくなくても、ある程度分かっていれば盛り上がれると思います。『SLAM DUNK』は私が高校2年生の時にとても流行していて、みんなアニメを見ていましたね。キャラクターでは、私は流川楓が好きなのですが、仙道彰も人気がありますね。

 『SLAM DUNK』と同レベルで人気のある作品というと、ちょっとないですね。『ドラえもん』や『名探偵コナン』くらいでしょうか。

――最後に、今後どのような作品を書いていきたいか教えてください。

落落 まだ具体的なイメージは固まっていません。日本を訪れて経験したさまざまなことをもとに書いてみたいなと思っています。

中国の若者と東北関東大震災

 原発事故を危惧して来日せず、シンポジウムに参加しなかった登壇者も多かった中、3月15〜19日まで日本に滞在していた落落さん。この時期に日本に来た理由を尋ねると、「日本が安全を大切にする国であることを信じていますから」と笑った。

 中国でもデマのようなものは飛び交ってはいるのだが、中国の若者たちは新浪微博、SNSの開心網人人網などを通して情報交換しており、その中には「デマを広げてはいけない」と言う人も少なくないという。

 新浪微博の落落さんのアカウントでも、「私は今、東京にいます。コンビニにカップラーメンなどはないけど、特に問題はありません」と書いたら、みんなが転載して広まっていったと話してくれた。

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