「自己紹介」の練り直しで、就活を大逆転しよう吉田典史の時事日想(2/3 ページ)

» 2011年03月25日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]

エピソードは差別化せよ

 このあたりまでは意識の高い学生はできるのだが、内容はほかの学生との差別化はできていない。多くはサークル、ゼミ、アルバイト、海外留学のエピソードを話すからだ。

 だが、うろたえる必要はない。採用試験である以上、「この学生は使える!」と面接官に思わせれば、そのこと自体が差別化に成功したといえる。この時期にあえてサークル、ゼミ、アルバイト、海外留学以外のネタを見つけ出し、書くべきでない。これらのネタでも構わないが、次のことは意識したい。

  • エントリーする会社で「自分がやりたい仕事」と「その仕事で求められる力」の重なり

 これを具体的に考えてみよう。「自分がやりたい仕事」は例えば、民間のシンクタンクで研究員として会社の商習慣などを調査し、提言していくことを希望しているとする。そして、「その仕事で求められる力」はさまざまな文献や資料にあたり、レポートを書いたり、講演で話したりする力と言える。

 つまり、会社でやりたい仕事、さらにそれに求められる力が重なるものは、「調べる力と発表する力」などが想像される。面接官は、学生がこれらの力を兼ね備えているかどうかを知りたいのだ。新卒であるから即戦力でなくともいいのだが、潜在的な能力を持っていることはアピールしたい。

 このことを踏まえると、前述した編入試験突破のエピソードはどうだろうか。この学生がシンクタンクの研究員を志すならば、「90冊ほど読み込み、10枚ほどのレポートを1か月に1本のペースで書きました」とか、「2年間、1日5時間ほどの勉強を続けました」というのは意味がある。面接官たちに「この学生は使える!」と感じさせる可能性が高いと私は思う。

 そこで面接官は、例えば「どんなことに注意し、文献を読むのか」などと質問をするのではないか。ここで確認したいのは、エントリはあなたを売り込むメニューであり、それを見た面接官が注文(=質問)をする。あなたはそれに応えていく(=質問に答える)ことで、一段と自分という商品を立体的にアピールするということである。

 この考え方で、エピソードを見直ししよう。言い方を変えると、面接で質問がたくさん来るようにするために、エントリに魅力的なことを書くのである。

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