宋文洲が語る、東電の原発事故とダメな会社の共通点(3/3 ページ)

» 2011年03月30日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

上司が部下に言ってはいけないこと

やっぱり変だよ日本の営業』(宋文洲、日経BP企画)

 日本は大震災を経験し、大変な局面を迎えている。多くのビジネスパーソンは必死になって働くだろうが、上司は「もっとやる気を出せ!」と言ってはいけない。恋愛にマニュアルがないように、やる気を出す方法というものもない。こういう非常事態だからこそ、上司は部下に対し「無理をしないでくれ」と言わなければいけない。

 ダメな上司に限って、部下に「やる気を出せ!」などという。多くの日本人は本当によく働く。もちろんあまり働かない人もいるが、そういう人に「やる気を出せ!」と言ってもムダ。それは無精卵を温めて、ヒヨコにかえそうとするようなこと。またダメな上司が「やる気を出せ!」と命令しても、部下は「お前にだけは言われたくない」などとバカにするだけだ。

 みんなの気持ちは重く、そして暗い。上司も会社や家族のことなど、いろいろな問題を抱えているだろう。しかし部下の前では「自信がある」フリをしなければいけない。上司が明るくなければ、部下は付いてこない。そうした明るさは各方面に伝播していくので、管理職の人はいつも明るい表情でいてほしい。日本の会社の再生は、そこから始まるのではないだろうか。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.