タグ・ホイヤー 1/1000秒への挑戦

» 2011年04月05日 13時34分 公開
[東ミチヨ,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 スイスの時計ブランド、タグ・ホイヤーが驚異的なコンセプトモデルを発表した。1/1000秒の計測を可能にした世界初の機械式クロノグラフ「マイクロタイマー フライング1000 コンセプトクロノグラフ」だ。

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 1/1000秒とはいったいどんな速さか? 想像するのは難しいが、世界最速の脚を持つウサイン・ボルトなら1.2センチ進むことができる速さ、上海のリニアモーターカーが14センチ進み、地球は太陽の周囲を29.8メートル公転することのできる速度であるという。

 日常生活においては想像の枠を超え、使われることのない計測であるが、タグ・ホイヤーがこれを開発したのには理由がある。モータースポーツにおいて常にスピードの限界を追求してきた時計メーカーとして、時速305キロのF1レースカーが約10センチ進むであろうその僅かな差にも挑戦したのだ。

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 タグ・ホイヤーとモータースポーツとの関連は深い。1966年に世界初となる1/1000秒の計測を可能にした計時機器「マイクロタイマー」を開発して以降、F1やスクーデリア・フェラーリなどにも進出。1990年代にはF1レースの公式計時担当となった。またF1レーサーのルイス・ハミルトンやジェンソン・バトンなどをアンバサダーに迎え、活躍を支援している。

 毎時360万振動。その数字を見ただけでも、今回の「マイクロタイマー フライング1000 コンセプトクロノグラフ」がいかに常識を超越しているかが分かる。これまで一般的にハイビートといわれる高性能の機械式クロノグラフでも、3万6000振動というレベルだったが、その100倍にも及ぶのだ。この超高速の調速機構を実現するため、コンセプトモデルには2つの心臓部が搭載されている。2つの振動体を用い、その1つに特許申請中の500ヘルツヒゲゼンマイを採用しているのだ。

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 通常の時間を計時するときには4ヘルツ、2万8800振動のものを、超高速の計時を行うときには500ヘルツのものを作動させるという仕組みだ。ムーブメントの随所に特殊なパーツが採用され、超高振動の摩擦熱や衝撃を制御し、剛性を高める工夫がなされ、11の特許申請技術が組み込まれている。

 デジタルに頼ることなく、あえて機械による力でスピードの限界を追求するタグ・ホイヤーの試みは、時計の技術革新と人類の挑戦をドラマチックに結びつけ、未来への原動力にしようという企業精神がうかがえる。

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