深澤直人×アレッシィ「柴犬」のような鍋(1/2 ページ)

» 2011年04月13日 14時00分 公開
[本間美紀,Business Media 誠]
エキサイトイズム

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※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 例えば日本の台所なら、必ず1つはある鍋。それが雪平鍋だろう。控えめな存在ながら、小ぶりで使い回しが良く、日々のおかずをつくるのには欠かせない。そんな雪平鍋のようなソースパンや落としぶた、フライパンなど和食の文化を伝える鍋のシリーズ「SHIBA」がイタリアのアレッシィから、5月に発売される。デザインと商品のコンセプトは、深澤直人氏。意外なことに、アレッシィとは初めての仕事だという。

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 アレッシィから話が持ちかけられたとき、深澤氏がアレッシィの社長のまず見せたのが「柴犬」の写真。柴犬といえば、多くの家庭で飼われている標準的な日本犬の代表。この普遍的でベーシック、それでいて長く愛されているというコンセプトを、うまく伝える深澤氏らしい表現である。さらに対比としてゴールデンレトリバーの写真を見せ、和と洋の違いをはっきりと見せたという。

「この鍋はこういうイメージでつくったんだよ、と端的に伝えたくて、柴犬の写真を見せました。アルベルト・アレッシィはその意味をすぐにくみ取ってくれ、音の響きも良いので名前もそのままSHIBAに決定しました」(深澤氏)

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 ラインアップは8種類の鍋とフタ。ソースパンは雪平鍋のようで、日本での料理にもぴったり。そして驚くことに、今回は「落としぶた」も登場する。煮含める、味をしみ込ませるという日本らしい繊細な調理の手法を、深澤氏はプロダクトデザインの立場から提案してみせた。

 さらにイタリアのパスタや肉や野菜の煮込みにも使える深鍋やフライパン、キャセロールも登場した。開発中にはアレッシイ氏と深澤氏で、おたがいに料理をつくりあうこともしたという。実際にどう使えるか――彼らにはそれが重要なテーマだからである。

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