城:少子化が社会問題になっていますが、そこにはいろんな原因があります。大きな理由の1つに若年層の経済的な状況がありますが、もう1つは女性が自分を養うだけの収入を求めることが挙げられます。
しかしある程度の収入を手にしてしまうと、結婚相手には自分以上の収入を求めてしまう。男性30歳で年収600万円以上の人は少ないのに、そういう人を探していたりする。しかしこの話を突き詰めていくと、「男は仕事、女は家庭」という考え方になってしまう。
昔に比べ時代は大きく変化してきましたが、女性の価値観はまだロックされている感じ。そして少子化の原因は終身雇用の問題につながっているんですよ。
ちきりん:なるほど。
城:大企業は今でも、総合職として女性をあまり採用しません。
ちきりん:それはなぜですか?
城:まず新入社員として就職すると、賃金はゆっくりと上昇していきます。しかしその上昇カーブは生産性とは比例していません。つまり若いころは働き損なんですよ。若いときに辞めてしまうと損をするので、多くの人は辞めない。それが終身雇用。企業側からすると、この“働き損期間”が長ければ長いほど得なんですよ。
ちきりん:会社からすると、その期間に辞められると困ってしまうわけですね。
城:そうなんですよ。だから企業は40歳以上の中途採用をほとんどとらない。既卒問題、ポスドク問題(博士号を取得しても就職できないこと)、女性問題というのは突き詰めていくと年功序列問題が立ちはだかる。このシステムを変えていかないと、流動的な社会にはなりません。
ちきりん:男性で育児休業を取得する人は少しずつは増えているんですよね。
城:まあ徐々にですが、増えています。
ちきりん:でも多くの人はまだ取得しないですよね。
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