城さん教えてください。オススメの会社はどこですか?ちきりん×城繁幸の会社をちゃかす(6)(2/3 ページ)

» 2011年05月25日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

安定して定年まで勤められる会社はない

城繁幸さん

ちきりん:もし自分の息子が「お父さん、就職するのならどこがいい?」と聞いてきたら、どのように答えますか?

城:その質問、よく聞かれるんですよ。でもないんですよね(笑)。子どもにオススメの会社はどこですか? と聞いてくる人は「安定して定年まで勤められる会社」を望んでいます。しかしそんな会社はない(笑)。

 例えば5年前。多くの人は新聞社の経営がこんなに厳しくなると思わなかったのではないでしょうか。ではテレビ局は? というと、各社ともリーマンショック後に事実上のリストラに踏み切った。東京電力も原発事故を起こすまでは、超が付くほど「安定している」と言われ続けてきた会社です。

 今の日本で、安定して定年まで働ける会社はないと思う。そうなると、最終的には本人が選択しなければいけない。それでも終身雇用の会社に就職するか、それともベンチャー企業に就職するか。または5〜6年会社で腕を磨いて、外資系の会社に転職するか。どれがいいか悪いかという問題ではなく、これは価値観の問題。

 もし僕が今大学生で就職活動を行う立場であれば、まず民間企業に就職します。その会社で数年間いろいろなことを学び、転職するでしょうね。

ちきりん:もし私が就職活動する立場だったら、若いうちにアジアで働いてみたいかな。

城:それはいいですね。

ちきりん:昨年の秋に会社を辞めた後、周囲からは「仕事を探している? こんな仕事に興味はない?」といったお話もいただくのですが、日本支社関連の仕事をアジアの拠点で担当するといったタイプの仕事の話が多いんです。ほとんどが外資系なんですが、最近はアジアに本部を置いているところも多いです。若い頃だったら、是非やってみたいと思うような仕事が多いですね。

 でもこの歳になると、排気ガスが充満しているような国や、常に大声で主張する必要のある国では働きたくない……とか思います(笑)。

城:ハハハ。

ちきりん:若い人にはアジアで働けるチャンスはたくさんあると思うので、外国語を勉強しておいた方がいいと思いますね。震災が起きて、外資系の会社がどんどん海外に出て行っている。その会社を追いかけるわけじゃないですが、海外で働いてみてもいいのではないでしょうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.